スキルベース型採用
現在求人をしている企業さんは、欠員募集で求人してませんか?欠員募集の本質を見直すべき理由のお話です。
求人活動を通じて痛感するのは、企業が欠員募集をしている間、応募が集まらず、結果として成長も停滞しているケースが多いという現実です。欠員が出る原因を深く掘り下げることなく、新たな人材を補充するだけの対応では、問題の根本解決には至りません。
そもそも、なぜそのポジションで欠員が生じたのでしょうか。社員の退職には必ず理由があり、それは待遇や職場環境、キャリアパスの欠如、あるいは職場文化の問題など、多岐にわたります。しかし、その原因を明確にせず、ただ次の人材を探そうとする企業があまりにも多いのが現実です。これはまるで水漏れしている容器の穴を塞がず、水を注ぎ続けるようなものです。
私が人材育成コンサルタントとして企業と関わる中で感じるのは、「人が辞めない会社」を作ることが、長期的に見て最も効率的であり、成長につながるということです。もちろん、全ての退職を防ぐことは不可能です。家庭の事情や個人的な夢の追求といった、企業側で解決できない理由で辞めるケースも存在します。しかし、そのような「どうしようもない欠員」は、数年に一人、あるいは数十年に一人程度ではないでしょうか。
多くの場合、退職の背景には、働きにくさや、やりがいの欠如、上司や同僚との人間関係の問題など、企業が改善可能な要因が潜んでいます。これらの問題を見直し、改善に取り組むことで、欠員そのものを未然に防ぐことが可能です。また、社員が安心して働き続けられる環境を整えることで、離職率が下がるだけでなく、結果として新たな応募者にとっても魅力的な企業となるでしょう。
欠員募集は短期的には必要不可欠な対応かもしれません。しかし、その背景にある問題を無視したままでは、同じ状況が繰り返されるだけです。企業が成長するためには、欠員の原因を掘り下げ、根本から解決する姿勢が求められます。そして、そのプロセスをサポートするのが、私たち人材育成コンサルタントの役割だと考えています。
採用活動に時間やコストをかける前に、一度立ち止まって考えてみませんか。「なぜ、辞めたのか?」という問いに真剣に向き合うことが、長期的な成長の鍵になるのです。