質預かりの注意事項

池田正一

池田正一

テーマ:質屋

いよいよ12月に入りました。
本当にあっと言う間の1年間でしたが、今年を振り返るにはまだ早いでしょう。
今年の内にやっておかないといけない事を頑張って済ませましょう!

さて今日は「質預かりの注意事項」というお題です。
ここの所、質預かりが非常に増えてきています。これまでこのコラムでも何度も質預かりについて取り上げてきましたが、ようやく認知度が高まってきたのかな、と思っています。

そこで、質預かりの注意事項を改めてご説明しておきたいと思います。
質預かりは、上手に使えば便利な融資制度なのですが、お金にまつわる事なのでやはり注意が必要です。

まず、質預かりで融資したお金について、質屋から返済の催促をしません。
これは逆に言うと「流質期限が来たら、お客様への連絡無しでお品物は処分されますよ」という事です。
ここで言う「お品物は処分されますよ」というのは、いわゆる「質流れ」という意味です。
つまり、質預かりで融資したお金は、返済についてお客様ご自身がしっかりと管理・確認して頂くことが必須となります。
こちらから返済について連絡をしない、という事は、お客様が返済の日時をしっかりと覚えておく必要がある、という事です。
もちろん、返済日程についてお電話で問い合わせて頂ければきちんとお答えしますし、「質札」と呼ばれる「質入れした品物の預り証として質屋が出す札」にも流質期限はきちんと記載されていますので、返済日程を忘れてしまってもちゃんと確認出来ます。

但し、繰り返しになりますが「質屋から返済の催促をしません」という事は、お客様の知らないうちにお品物が質流れとなり、処分されてしまっている事も十分にありえますので、くれぐれも、返済日程・流質期限についてはお客様ご自身できちんと把握して管理して頂かなければなりません。


また、質預かりではお品物に対して「最大いくらまでご融資が可能」という意味でお品物査定を致します。
これは逆に言うと「査定金額10万円のものであっても5万円だけ融資してもらう」といった事が可能なのです。
このように言いますと「10万円借りられるのなら10万円借りればいいじゃない」なんて声が聞こえてきそうですが、あながちそうでもないのです。それは、借りるお金が増えれば増えるほど、お品物を出す(取り戻す)時にたくさんのお金が必要になるからです。

例えるなら、クレジットカードでお金を借りる場合「限度額」というものがありますよね?お金を借りる場合、この限度額を最大でいつも借りるという人は少ないのではないかと思います。
融資可能金額=必要なお金の金額ではありませんから。
足りない分だけ借りる、必要な分だけ借りる、こういったお金の借り方が一般的だと思います。

これを質預かりに当てはめると査定金額10万円のものであっても5万円だけ融資してもらう」という事につながってくるのです。
ここで注意が必要です!
もし、査定金額10万円のお品物を預けて5万円だけ借りた場合でも、質流れしますと10万円相当のお品物を失うことになるのです。
つまり、手に入ったはずの残り5万円が失われてしまうという事です。

上記の例では、査定金額10万円のものを5万円だけ融資という想定ですが、もしこれが査定金額100万円のものを50万円だけ融資してもらっていて、そのお品物が流質したなんてことになりますと、手に入るはずだった50万円!が失われてしまうという事になってしまいます。

ですので、返済日程・流質期限についてお客様ご自身がきちんと理解して把握しておくという事が重要になってくる訳です。


買取ではなく質預かりに出す場合、多くのお客様が「お金を返済していずれまた品物を質から出そう」とお考えだと思います。
それはきっと、質に預けるお品物がお客様にとって大事なものだからなんだと思います。
「想い」が生きている品物を預けるの場合、十分にご注意ください。
お客様にとって「売りたくないもの」が失われる、という結果になる場合がございます。





それではまた、次のコラムでお会いしましょう。







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