「国際ロマンス詐欺」被害のあとにカウンセリングを選ぶタイミング
現在、結婚の4組に1組が再婚です。1970 年代以降、上昇傾向になっています。
令和3年結婚と家族をめぐる基礎データ
離婚が増えて、ひとり親家庭数が増加している今、この数字は納得の数字かなと思いました。
令和3年厚生労働省「全国ひとり親世帯調査」によると母子世帯数は119.5万世帯、父子世帯数は14.9万世帯となっています。この人たちがすべて再婚予備軍になるわけです。
「再婚したいけどなかなかいい出会いが見つからない」
「今の彼と結婚してもいいのか悩んでいます」
「二度と失敗したくないので相手の見分け方を学びたい」
私のカウンセリングではシングルマザーからこんなご相談を受けることも多く、「恋愛や再婚」「ステップファミリー(子連れ再婚家族)」に関するご相談は増えています。
今や1度や2度の失敗では挫けず、前向きに恋愛したいというシングルマザーが多いことを感じています。いいことだと思います。
国際ロマンス詐欺に気を付けて!!
「出会いがない!」という悩みは多く聞きます。
仕事と子育てに追われて、異性に出会う時間なんかないというのはシングルマザー共通の悩みのようです。
「出会いは自分でつくるもの。待っていても訪れないよ」と私は良くアドバイスします。
恋愛がしたいと思ったら、まずしっかりとイメージすることです。いつ頃までにどんな人と出会いたいのか?イメージできたら周りに伝えることをお勧めしています。夢や願望は口に出して人に伝えることで叶うからです。
最近は出会い系サイトやアプリが出会いのきっかけになったという話を良く聞きます。
時間のないシングルマザーにとって、気軽に出会えるのでお奨めです。
しかし気を付けて欲しいのが「国際ロマンス詐欺」です。
「国際ロマンス詐欺」とは海外からの恋愛、結婚詐欺です。出会い系サイトやアプリには国際ロマンス詐欺を目的とした偽のアカウントが沢山潜んでいます。
最近多い手口は「投資系国際ロマンス詐欺」です。シングルマザーの将来の金銭的な不安や寂しさにつけこむ横行な手口です。
SNS等で偽のプロフィールや写真を使って、見知らぬ外国人がコンタクトしてきます。
彼の優雅な日常生活が写真や日々の投稿で垣間見られます。投資で儲かっていることをほのめかされて「投資を教えてあげる」と言われます。最初はお遊び程度の小さな金額から彼の言うように投資してみると、少し利益が出てそれを引き出すことができます。
すっかり信じた頃にキャンペーンがあるなどと誘われ、大きなお金を投資することになります。良くできた偽のサイトや投資アプリで儲かっていく様子を見せられて安心して投資を続け、引き出そうとしたら手数料がかかると言われて引き出せなくなるのです。
詐欺ストーリーは他にもさまざまありますが、現在多いのがこの投資系の国際ロマンス詐欺です。子どものための貯金を失って、詐欺師に言われるままに消費者金融で借金までしてしまったシングルマザーも沢山います。
シングルマザーだけではなく、被害者の年齢も低年齢化しており、男女問わず被害が増えているのが最近の傾向です。
出会い系サイトやアプリでの出会いはきっかけとしてはありだと思いますが、必ずリアルで相手に会うようにしましょう。出会ったこともない相手から「愛している」と言われ、お金の絡む話が出てきたら詐欺を疑ってください。
恋愛相手をどう見極める?
シングルマザーの恋人や、ステップファミリーの継父からの子どもの虐待のニュースは沢山あります。そんな事件を目にすると我が子をそんな目にあわせたくないと思うのがシングルマザーの心配事です。だから相手を見極める力が大切です。
そもそもシングルマザーにとっての恋愛や再婚の目的はなんでしょう?「子どものお父さんが欲しい」という方がいますが、それが動機だとうまくいきません。
「シングルマザーになった時点で『2人でする子育て』はなくなりますよ」と私は良くお伝えしています。
シングルマザーになる時に「これからは1人で子育てしていこう」と決意したはずです。子連れ再婚では、パートナーはあなたの子育てのサポーターではありますが、実の親に代わる存在ではありません。『2人でする子育て』を期待するとガッカリすることになります。
再婚しても子育ての責任はしっかりと自分が背負って、子どもの親を求めるのではなく、自分の人生のパートナーとして、自立した関係でパートナーシップを築いていくことがうまくやる秘訣です。
ステップファミリーの「STEP」は「継」という意味で、アメリカでは「パッチワークファミリー」とも呼ばれています。ツギハギして1枚の布になるいうイメージです。
実はこの「ステップファミリー」は初婚でつくられる家族とは大きな違いが沢山あります。
1.どちらかまたは両者に以前のパートナーとの間に生まれた子どもがいる
2.死別や離婚などにより喪失感を持ちながら次の出会いに向き合うことになる
3.すでに先にできあがった家族の関係や習慣がある
4.もれなくついてくる人間関係のしがらみがある。
そう考えると簡単なわけはありません。しかし恋愛の初期は誰しもが根拠のない自信を持っています。きっとうまくやれるはずだと思っています。
悩んでカウンセリングに訪れる方に「ステップファミリーについて再婚前に学びましたか?」と質問すると、自分たちがステップファミリーだという自覚さえもなかったという人が多いです。
再婚する前に、ステップファミリーをパートナーと一緒に学びましょう。一緒に向き合って学べる相手か否かが、パートナーを見極める1つの基準になります。根拠のない自信を持っていて、「いいお父さんになれる」なんて思っている男性とは安易に再婚してはいけません。
子どもに恋愛相手をいつ紹介するか?
「お付き合いしている彼氏がいます。子どもにどのタイミングで合わせるのがいいですか?」というご相談も良く寄せられます。
先に書いたように、まずは2人のパートナーシップをしっかりと築くことが大切なので、初期の段階から子どもを巻き込んでの恋愛はおすすめしません。
ゆっくりじっくりと相手を見極めて、信頼できそう、一緒にやっていけそうだと思ったら、最初はママの仲良しのお友達として子どもに彼を紹介しましょう。
焦らずに時間をかけて、彼と子どもの関係性を見守っていきましょう。
時に子どもはママを他の誰かにとられたくないという感情をぶつけてくることもあります。
そんな時にはその気持ちをうけとめてあげることも大切です。
子どもと彼の狭間に立って悩むこともあるかもしれませんが、幸せな再婚家庭になっていく過程で乗り越えなくてはならない試練だと覚悟して頑張ることです。
こうしてシングルマザーの恋愛には独身の時の恋愛と違って、様々な試練がありますが、死別や離婚という過去の辛い経験を生かして、是非幸せになってほしいなと思います。
そして何よりもそこにいるお子さんたちが一緒に幸せになれることを祈って、応援したい気持ちでいっぱいです。
シングルマザーの恋愛と再婚を支援 NPO法人M-STEP
NPO法人M-STEP
国際ロマンス詐欺の被害者救済支援 NPO法人CHARMS