満室経営の極意③
所有不動産のターゲットを決める
一口に賃貸住宅と言っても戸建、アパート、マンションなど種類も様々です。
また築年数、戸建、立地条件、間取りも様々違います。
外観の雰囲気などもありますし、周辺環境なども違います。
全て全く同じものは一つもありません。
有名な歌にナンバーワンにならなくてもいい。元々特別なオンリーワン
という歌詞がありますが、不動産もまさしくそれで
オンリーワン物件を目指していくことが良いのです。
集客に苦労する物件の大きな要因が「ターゲットがざっくりしている」「賃料が中途半端」
「地域や場所を考えず賃料設定されている⇒これは建築計画時からの問題」です。
一般的に不動産所有者の多くが「土地の有効活用」「税金対策」などで建設されるため、
今ほど不動産経営に関する情報が無いなかで「節税」を謳われて、
地域ターゲットなども決めずに「とりあえず賃料収入が入るから」と
建てられているケースがほとんどです。
皮肉なことに賃貸業界では「ハウスメーカーが活躍する地域は入居率が悪い」
といったデータがあります。「建てることが目的」のハウスメーカーと
「土地建物を永続的に維持管理していく」オーナー様とは、実は建設当初の時点から
目的が大きく違うのだから当たり前かもしれません。
そんな根本的な話からするとキリがないので、今からできることは大きく分けて2つあります。
①「投資する建物」にするのかしないのか決める事
管理会社として仲介会社として一番困るのは「中途半端」なことです。
リフォームはする。でも、あれは除いてこれは除いてと中途半端なリフォームになり、
細かい所を削って結局は入居者が決まった際、再度リフォームをしなければならなくなる様な
物件が一番客付けに苦労します。
オーナー様にとって、もちろん全ての建物が大事だとは思われますが、
立地条件や間取りで物件の収益性はある程度把握されていると思います。
そこに返済など必要経鑑みて「投資する」のか「投資しない」のか決めることです。
「投資する」を選択された場合、単価は別としてしっかりやるべきところは手をかけて、
中途半端なリフォームをしない、やるなら将来に目を向けて最新の設備などを導入し、
賃料UPを狙っていく、「高い支出で高い収入」を目指すことです。
※高い収入にも限度はありますが。
「投資しない」を選択された場合には逆に中途半端に対応せず、徹底して手をかけない。
室内などは常に「現状渡し」に特化して「安い賃料」で入居させる。
「少ない支出で少ない収入」を徹底して狙うことです。
事故が起こるような事は最低限避けますが、基本的に入居者の要望に応えない。
必要最小限の対応に特化することです。悪い言い方をすれば「放置」です。
これがはっきりしていると管理、仲介側からすると非常にやりやすくなります。
「投資しない」物件は「敷金・礼金0」「フリーレント」「市場よりも安い賃料」など
様々な「入居すれば良い」方法に特化できます。
「投資する」物件は「敷金」や「礼金」も取って設備も充実し、「市場よりも少し高い賃料」
を取って、将来に渡って維持管理していける様な方法を取っていきますし、
宣伝広告費もかけて「おすすめ物件」として徹底的に優遇していきます。
②「投資する物件」を「誰向けに作っていくか」
例えば、「駅徒歩10分以上のファミリータイプの物件」を「打ちっぱなしの外観」で
「スタイリッシュな内装」を手掛けても誰も寄り付きません。
だいたい奥様に決定権がありますので相当若いカップルに限定され、
また、家賃も低くしか取れません。
まず「地域の平均賃料」「客層」「駅徒歩」「間取り」を考えて、
「どんなお客様に入ってもらうのか」を決め、それに沿った「投資額」や
「内装」などを決めていくことです。
そうして考えて行動していくと、ターゲットと外れることもありますが、
入居率は上がっていきます。
この様に賃貸経営は「複雑化」しています。ここまで考えて、手を打って、行動して、
やっと入居率を維持することができます。
なんとなく「家賃はもっと欲しい」や、なんとなく「リフォームはあまりしたくない」
ではなく、「計画性をもって」、「敢えてここは投資する」あるいは「敢えてここは投資しない」など「明確な目的」を持って取り組んでいくことが最良の結果をもたらすことと考えます。
複数棟をお持ちのオーナー様は収益性で分けるのも良いでしょうし、
階層やお部屋で分けるのもいいと思います。
いずれにせよ我々も明確なプランをオーナー様に明示していないところもありました。
今後は物件ごとの明確なプランをご提案し、共感頂くことで
物件の運営方法を一致させて参りたいと思います。