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貝畑勝則

人にも建物にも優しい真の健康住宅をつくる一級建築士

貝畑勝則(かいはたかつのり) / 一級建築士

有限会社カイハタ建設/カイハタ建設一級建築士事務所

コラム

初期設計で最低限、気を付けている箇所(再)

2017年3月3日

テーマ:設計

コラムカテゴリ:住宅・建物

家を建てる際、自分の敷地だといってどんな建て方をしても良いわけではなくルールがあります。

最低限守るべき面積や高さ、仕様、用途などの制限がありその中には耐震性も含まれます。

「耐震基準」を遵守することで一定の耐震性が確保されると言われてきました。

しかし実際には大きな地震災害のたびに変更となりここ半世紀位で度々法改正となったわけです。





大きな改正は1981年の「壁量強化」という改正だとされています。

更に住宅に関しては2000年の改正による地盤調査の事実上の義務づけや壁の配置のルール化、

補強金物の義務づけなどがある意味、国が業界に強い刺激を与えた住宅変革となりました。



これは住宅性能表示制度といい「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく制度で

①新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」すること

②様々な住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」を制定すること

③トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備すること

以下の3本柱で構成されています。


耐震に特化した内容を抜粋すると、

①の瑕疵担保とは大きく2つの瑕疵(引き渡し入居後)について。

一つは雨漏りについての瑕疵、もう一つは構造耐力(耐震)上主要な部分の瑕疵。


②の住宅性能(構造耐力、省エネ性、遮音性等)に関する表示の適正化を図る共通ルール。



2000年以降の法改正としては2006年の構造計算適合性判定業務の制定。

構造計算プログラムの指定強化を行い、結果的に確認審査の大幅遅延、停滞となりました。

これは2005年の耐震偽装で強度不足のマンションにから飛び火し住宅まで厳格化されたもの。


2006年の法改正から、もう11年になりますが今は忘れ去られ、厳格化はどこへ?


ここ10年程大きな法改正はないものの、その代り業者間による耐震競争が激化しています。

耐震機能・制振・免震など・・・過剰な程です。



耐震構造は、建物をがっちり固めてスクラムを組み、揺れに抵抗するイメージ。

制震構造や免震構造は、耐震構造に装置を取りつけることで振動エネルギーを吸収する仕組み。

耐震構造は地震時に建物の倒壊を防ぐことを目的にしているが制震構造や免震構造は揺れを

吸収し軽微な損傷まで防止する考え方の仕組み。


しかし報道されているような断層のズレに対応できる構造の仕組みは無いと思われます。



したがって、断層が直下にない前提として、せめて倒壊しない建物のすすめとして・・・

南側の開口部は東西方向の耐力壁とのバランスを考え決める事(特に1階)。

大きな開口部をたくさん設置しない、又は設置する場合は補強を意識する。

小さ過ぎる窓を奨めるわけでは無いが少なくとも大き過ぎる開口部は省エネの観点からもバツ。

重い(瓦など)屋根材を使うときは要注意!


更に専門的な見解ですが・・・

柱と筋交いなど耐力壁の設置箇所及び縦横方向とそのバランス。

特に大きな吹抜け設置など、大開口(縦横2軒以上)間取り時の考え方。

荷重分散に配慮した梁せいの決め方や梁組の考え方等。

上記内容でこれから新築予定の方は新築を受け持つ各担当者に相談してみてください。


以上は私が初期設計で最低限、気を付けている箇所です。



デザインだけではダメです。

構造だけでもダメなんです。

住み手の立場になれば機能性も重要です。

法的な制約もかかります。

建物は総合的なバランスが必要。



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