新型コロナで転んでもタダでは起きない! <浦安市川の中小企業支援コラム>
輪界(自転車業界)部品製造の老舗が、海外からの輸入品に競り負け、バブル崩壊も重なり、倒産の危機に陥る時、佐々木社長は入社。変動損益計算書を徹底活用し、立て直しに成功した佐々木経営の神髄を。以下要約抜粋して紹介する。
夜逃げする寸前だった!
元々は、荷かごや子供用の座席といった自転車部品の製造を生業とした老舗でしたが、海外から安い部品が入って来たところにバブル崩壊が重なり、業績が急降下、そんな時、父親の会社に戻ってきました。銀行の担当者からは「御社は破綻懸念先です」と面と向かって言われる位の苦しい状況でした。毎月のように手形の決済に追われ、親族や取引先に頭を下げては運転資金を工面していましたが、一向に収拾がつかず「夜逃げするしかない」と思い詰めたこともありました。
長年培って来たスチール加工の技術を活かして赤字脱却!
転機が訪れたのは1994年、大手スーパーから「ディスプレイ用のラックは作れないか」と打診され、長年培って来たスチール加工の技術を活かし、新製品を積極的に展開したところ、多彩なラインアップと短期納期での製作が評判を呼び、瞬く間に引き合いが相次ぐようになりました。1年目は月70万円の売上が2年目は1千万円となり、その後数年で赤字を脱することが出来ました。
変動損益計算書で業績をタイムリーに把握し設備投資を判断!
変動損益計算書(原価と費用を売上高の増減に連動する変動費と連動しない固定費に分けて作成するもの)で財務状況をタイムリーに把握することにより、向こう半年から1年の見通しが立ち、「新しい設備を導入するためにどれくらいの予算を投下出来るか」といった判断が的確に出来ています。昨年あたりから仕入れ価格が上がる一方でしたが、最新業績を小まめにチェックしているので、「これは値上げするしかない」と売価の改定を決断しました。今年6月以降に本格的に値上げへと舵を切ったこともとあり、これから限界利益(粗利)は上がって来ます。
塗炭の苦しみを味わった倒産のピンチをバネに5年先の経営を!
当社の強みは、企画・開発・設計・製造から出荷作業まで一貫した生産管理システムにより、安心した品質で短納期のお届けを可能することです。コロナ禍によるインターネット通販に対応すべくEC事業部を設立し、家庭用インテリや製品の開発に取組み、楽天市場やAmazonなどで販売しています。5~6年間、塗炭の苦しみを味わった30年前の倒産のピンチが、今でもバネになっています。いつ何時あんなことが起こるかも知れない、3年先、5年先を考えて、今打てる手はないかと常に必死に考えています。
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