「壬寅」は“次への発展を強力に促す”年 <浦安・市川の中小企業支援コラム>
創業から72年目を迎える嬉野温泉・和多屋別荘の三代目は、父親から勘当に近い形で追い出された後、苦節10年、旅館再生のコンサルタント事業を成功させ、実家が再び倒産の危機に陥った時に戻ってくると、次々と改革を断行してV字回復させた。戦略経営者7月号は、小原社長のコロナ禍でも次々と繰り出す知恵と実践力を特集した。以下要約抜粋。
勘違い息子、身勝手娘が会社をダメにする!
再生を余儀なくされる旅館の経営者一族は、全て僕の場合と一緒です。勘違い息子、身勝手娘が会社をダメにしていたんです。だから社長には、あなたの息子さんがこの会社を潰しますよ、会社が潰れたら全社員、一族が路頭に迷いますけどどうしますか?という話をして。もちろん息子にもどんどん厳しいことを言って、一念発起したら、そこからが再生のスタートです。父親にクビを切られたことで会社が一旦は復調した事実を真実味を持って伝えることができたので、私はクライアントから信頼を得ることができたのです。最初に始めたのは取引先との信頼の回復、そして一緒に働く従業員たちとの信頼関係の構築でした。2年半をかけて信頼を再構築すると、経営は次第に回復しました。
2万坪の敷地と歴史的伝統文化を最大限に活かす!
ここは1,300年前から湧出し日本三大美肌の湯と云われる「嬉野温泉」、500年前から栽培が始まった「うれしの茶」、400年の歴史を持つ「肥前吉田焼き」の三つの歴史的伝統文化が息づく場所です。当社所有の2万坪の敷地は地形にも恵まれた素晴らしい土地で、歴史的に価値のある建物は日々当社の大工の手により手直しや新しい空間が生み出され、圧倒的な優位性があると感じています。茶農家と吉田焼きの窯元と提携し茶室を設け、自然を体験しながらお茶を飲む約1時間のプログラムは3杯のお茶と二つの菓子で一人1万1千円しますが、コロナ禍の昨年でも500人程度の利用がありました。各茶室や観光スポットを自転車で廻る「茶輪」、専属の茶師が付く「茶泊」等も提供しています。
旅館を”泊まる場所”から”通う場所”へ変える!
コロナ禍で、当社もビジネスモデルの再考を真剣に迫られました。「旅館=泊まる場所」という既成疑念を超え「旅館=通う場所」として地元のお客様にも足を運んで頂ける場所へと変革して行くとのコンセプトを掲げ、お茶と読書をゆっくりと楽しめる場所「BOOKS&TEA三服」、フランスの著名パティシエの店「Made inピエール・エルメ」、佐賀県産の食品を販売する「デリカテッセン季設」などを展開しています。また、2020年には㈱イノベーションパートナーズが温泉旅館内では初のサテライトオフィスを開設し、現在、IT企業の社員等30人が利用し、近い将来100人の利用が見込めます。豊かな資産価値に比べ未だ圧倒的にコンテンツが不足しており、これからも弛まず新サービスを生み出して行きます。
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