令和3年度税制改正 退職所得課税の見直し等  <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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テーマ:令和三年度税制改正

令和4年度税制改正要望が各業界から出揃い、各省庁で取り纏めが行われていますが、未だ未だ詳細が見えない中、今回は、令和3年度税制改正でこれまで取り上げていない“注目すべき改正事項”を以下にて取り上げたいと思います。

退職所得課税の見直し 

改正の背景

退職金は長年の勤労に対する報償的給与として一時に支払われるものであることから、退職所得控除を設け、更に、課税対象を半額にし、且つ、他の所得と分離して課税する等、税負担が軽くなるよう配慮されていますが、この制度を脱税、節税目的に悪用をする事例が発生している為、勤務期間が短い場合には運用を厳しくすべきとの声が上がっていました。

改正内容

改正のポイントは下記の通りです。

①勤続年数5年以下の法人役員等以外の退職金については、退職所得控除(年40万円)を控除した残額の300万円を超える部分については1/2課税を適用しないこととされます。

②この改正は令和4年分以後の退職金に係わる所得税について適用されます。

個人住民税の源泉分離課税(申告不要)の手続の廃止

改正の背景

平成29年度税制改正で、上場株式の配当等について所得税では配当控除を受けるため、総合課税を選択し、住民税では国保保険料の増額を避けるため申告不要を選択することが出来ることとなりましたが、所得税の確定申告後に別途、住民税の申告書の提出が必要で、これが煩雑で提出漏れによるトラブルも発生していることから、改善要望が出されていました。

改正内容

令和3年分以降については、所得税の確定申告書の様式の中にチェックボックスを設ける等により、所得税の確定申告書を提出すれば、住民税の申告は不要とされます。

その他の注目すべき改正 

1)税務関係書類における押印義務の見直し:令和3年4月1日以降、担保提供関係書類と遺産分割協議書を除く、確定申告書等の税務関係書類への納税者の押印が不要となります。

2)保育子育て等に係わる助成金の非課税措置:令和3年分以降、これまで雑所得として課税されていたベビーシッターの費用等に充てるための助成金が非課税とざれます。

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