運に選ばれる生き方 <浦安・市川の中小企業支援コラム>
1995年のピーク時から1/3にまで縮小した国内のミシン販売市場。その中で、“もう一度、ミシンを一家に一台へ!”を目指すアックスヤマザキは、コロナ堝の巣ごもり需要も取り込みながら、過去最高益を達成しました。日経トップリーダー5月号は、アックスヤマザキを取り上げ、縮小市場でも勝ち残る知恵と行動を、特集しました。以下要約抜粋して紹介させて頂きます。
社長を継いだときの市場は右肩下がり
私たちアックスヤマザキは、1946年創業の家庭用ミシン専門メーカーで、私が三代目です。戦後、ミシンの需要は飛躍的に増え、一家に一台ミシンがあるという時代になりましたが、昭和が終わる頃から手作りをしなくても手軽にモノが手に入る時代になり、家庭で裁縫をする人の減少にともない、ミシンの需要も年々減っていき、私が家業を継ぐために入社した2005年頃は、まさに市場が右肩下がりの状態でした。
大規模な事業縮小を考えろと言う父に直談判!
父はOEM受注を主戦場として他社と競り合い、心身共に疲弊する中でも、祖父の時代の債務超過を一掃し、何とか無借金経営で運営していたものの、私の入社時の売上高は7億円と、ピーク時の1/3にまで減少し、「自分には打つ手が分からん」と弱気が見え隠れしていました。2015年、私から社長就任を打診した際には、「大規模な事業縮小」を考えるよう云われましたが、私は「1年だけ私の思う通りにやらせて欲しい、結果が出なければ、社長は辞めます!」と談判し認めてもらいました。ミシン一家で育った私は、自社だけでなく、ミシン業界自体をなんとかしたいという気持ちを強く持っていました。
原点に戻り、お客様が求めているものは何かを徹底的に考える!
そこで、原点に戻って、お客様が求めているものは何かを徹底的に考えました。例えば、子どもの頃、学校の授業でミシンを扱った際に、うまく糸をかけられなかった、或いは、スピード調整が難しくてうまく縫えなかった等の苦手意識を払拭できれば、新たな市場を創れるのではないかと考えました。そうして出来た「毛糸ミシンHUG」は、毛糸をひっかけて本体にセットしボタンを押すだけで、さまざまな生地を簡単に縫い合わせることができるものです。2020年には子育てママをターゲットに「子育てにちょうどいいミシン」を発売、HUGを超える大ヒットとなり、経産省のグッドデザイン金賞にも輝き、お陰様で、2020年12月期は過去最高益(2.5億円)となりました。
ミシンに苦手意識を持つターゲットへの直接ヒアリングを繰り返す
開発方針は三つ。「未経験者・初心者向け」「具体的な顧客像を定める」「ミシンに苦手意識を持つターゲットへの直接ヒアリングを繰り返す」です。今後も高価格帯に進むつもりはありませんし、ミシン以外に進出するつもりもありません。多くの人がミシンに触れるキッカケを作ることで、業界に微力ながらも貢献したいと考えています。
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