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和泉俊郎(いずみしゅんろう) / 税理士

和泉税理士事務所

コラム

税逃れ阻止! 令和二年度税制改正より  <浦安・市川の中小企業支援コラム>

2020年8月15日

テーマ:令和二年度税制改正

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 海外不動産 投資

コロナ禍の静かなる“特別のお盆”を迎える中、今回も、令和2年度税制改正より、税逃れ封じと歳入増を願って措置された「国外中古建物の不動産所得に関する損益通算の特例」を、以下にて取り上げたいと思います。

改正の背景

不動産所得の損失は他の総合所得の各所得と損益通算出来ますが、海外の賃貸用中古建物を取得し、過大な減価償却費を計上することにより、不動産所得を赤字にして各年度の所得を圧縮、一方、5年超所有後に売却した際の課税は、長期譲渡所得として軽減税率(所得税15%+住民税5%=20%)が適用される為、住民税と合わせた最高税率55%に比し、取得から売却までの全体を通して、大きな税逃れ効果が得られるとして、問題視されて来ました。

改正の内容

① 改正の狙い: 
中古資産を購入した場合の減価償却費計算の基礎となる耐用年数については、原則として使用可能期間を見積もるものとされているものの、その見積もりが困難な場合、償却期間の短縮化となる以下の簡便法によることを認めるとされています。この簡便法が過大な減価償却費を産む温床となっており、この適用を制限する必要性が議論されていました。

ア)法定耐用年数の全部を経過した資産:法定耐用年数x20%
イ)法定耐用年数の一部を経過した資産:(法定耐用年数-経過年数)+経過年数x20%

② 改正の内容: 改正点は以下の2点です。

ア)個人の不動産所得の計算上生じた損失の額の内、国外中古建物について簡便法を適用して計算した減価償却費は不動産所得及び損益計算等の計算上生じなかったものとみなす、とされました。但し、国外中古建物の所在地国の法令における耐用年数で計算している旨を明らかにする書類等その年数の適切性を証する書類が添付されれば、その減価償却費は認める、とされました。

イ)上記ア)の適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合、生じなかったものとみなされた減価償却費相当額は譲渡所得の計算上、取得費から控除しないこととされました。これに伴い、軽減税率対象の譲渡所得は減少することとなります。

適用時期

令和3年度以降の不動産所得から適用されます。

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