令和2年度税制改正要望 経済産業省編  <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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各省庁からの令和2年度税制改正要望が出揃い、今後、年末の税制改正大綱へ向け、政府税調・党税調での議論を経て改正案が固まることとなりますが、今回は、経済産業省の要望から有望事項を、以下にて取り上げたいと思います。

連結納税制度の見直し

改正要望の背景:
グループ各社が持つ赤字と黒字を相殺することで、グループ全体の税負担を軽減する連結納税制度は、2002年度に導入されて以来、資本金1億円以上の大企業の内、3割超が利用するに至っているが、買収した会社を連結対象に加える際、その連結加入法人が持っていた含み益に時価評価課税する一方、欠損金は持ち越せないようにするルールがあり、M&A等機動的な組織再編の障害になっている、また、グループ全体計算で親会社が申告する仕組みである為、一つの子会社のミスであっても全体で修正が必要になり、修正のための事務負担が大きいとの指摘があった。

要望事項:
時価評価課税を見直し、連結加入法人が離脱時まで課税の繰延を図るとともに、繰越欠損金の切り捨ての対象を縮小することを要望する一方、研究開発税制、外国税額控除等グループ全体で活用されるべき優遇税制は堅持すべきとしている。

(参考)政府税調の提言:
グループ全体で活用される優遇税制の取扱について経産省とスタンスを異にし、修正時の事務負担を軽減できるようにする為、赤黒相殺の仕組みは維持しつつ、親会社が全体を取りまとめ申告するのではなく、各社で申告・納税するように改める、間違いがあった会社のみが修正すれば済み、他の会社の納税額にも変化が起きないとの趣旨の提言を行っている。

第三者への事業承継の促進に資する税制措置の創設

改正要望の背景:
急増中の休廃業企業の黒字割合は半数近くあり、好業績企業も含まれている。一方、M&Aを実施した中小企業の多くは販路拡大や売上・利益の拡大を実現しており、中小企業の稼ぐ力の強化の観点からも第三者承継の促進が急務。

要望事項:
休廃業企業の円滑な事業承継に資するため、何らかの優遇税制の創設を要望する。現時点では詳細は検討中だが、株式譲渡や事業譲渡時の軽減措置等と推察される、


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