2019年度税制改正 教育資金の一括贈与の非課税特例の見直し   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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自動車税等の一部で新元号の表記が間に合わない事態が発生したものの、改元の税の世界への影響は軽微であり、今回は、平成31年度税制改正の中から、教育資金の一括贈与の非課税特例の見直しについて、以下にて取り上げたいと思います。

改正の背景

現行制度では、資金管理契約期間中に贈与者が死亡した場合、その残額は相続税の課税対象外とされ、非課税限度額1,500万円は各受贈者ごとに付与されることから、例えば余命の短い祖父や祖母から複数の子や孫へ非課税限度額までの教育資金贈与を一度に行う等、節税を目的とした利用も可能な制度になっていること、また、利用が富裕層に偏在し格差を固定化するとの指摘もあり、その是正を図るため今年度の改正で手当てされたものです。

改正の内容

改正点は下記の通りです。

(1)受贈者の所得要件の見直し 
   2019年4月1日以降の贈与で、受贈者の前年の合計所得金額が
   1千万円超である場合、本税制の非課税の対象外とされました。
(2)教育資金の範囲の見直し 
   23歳以上の受贈者については、2019年7月1日以降に支払われる
   教育資金は、学校等の費用や教育訓練給付の支給対象となる教育訓練
   に係る費用に限定し、習い事等に係る費用等は、教育資金の対象から
   除外されることとなりました
(3)贈与者死亡時の課税の見直し 
   これまで相続税の課税がなかった贈与者の死亡時の教育資金贈与の
   残額ですが、2019年4月1日以降に贈与者が死亡し、その死亡前3年に
   贈与を受けたときは、受贈者が23歳未満である場合、学校等に在学
   中、或いは、所定の教育訓練を受講中である場合を除き、相続税の
   課税対象とされることとなりました。
(4)教育資金管理契約の終了事由の見直し 
   2019年7月1日以降、受贈者が30歳に到達した時において、学校等に
   在学中或いは所定の教育訓練を受講中の場合、その在学・受講の終了
   の日の翌年末日と40歳に達する日のいずれか早い日に契約が終了する
   ものとされました(終了の日の残額には贈与税が課税されます)。
(5)適用期限の延長 
   適用期限が2年間延長され、2021年3月末までとされました。


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