多くの失敗が今は全て生きている! <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

和泉俊郎

中古車を売って得た40万円を元手に焼きそば店を開業、その後幾多の失敗を経て「築地銀だこ」をオープン、今や、佐瀬社長が率いるホットランドは、店舗数420、売上高320億円の上場企業に成長しました。失敗を乗り越える原動力は何だったのか、日経トップリーダー12月号他の記事より、以下要約抜粋し紹介します。

夢は和食ファーストフードの世界展開!

考えることが好きで、ずっと考えてますね。ワクワクするアイディアが浮かぶと楽しくなって、行動しちゃう。まあ、後先を考えないところもあって「失敗だらけの経営者人生」です。高校生のとき、マクドナルドやケンタッキー等ファーストフード店が続々とオープンし、憧れの米国に自分が行ったような、幸せな気持ちになりました。同時に、逆に、和食のファーストフード店を世界中に広められたらいいなと思ったものです。ここが原点です。

経営を軌道に乗せるため、頭に浮かんだことは何でもやった!

夢を叶えるべく、25歳で焼きそば店を開業しましたが、立地が悪く全く儲けが出ないので、新聞配達で凌いで、借金までして桐生駅前へ移転しました。然し、ここでも一向に人気が出ません。私は経営を軌道に乗せたいとの一心で、頭に浮かんだことは何でもやりました。焼きそばは暑い夏には売上が落ちるので、アイスまんじゅうを作って売りました。珍しさもあって飛ぶように売れたので、調子に乗り大量生産の機械を作ったら、急に人気がなくなった。今度はお馴染みのアイスキャンディーに切り換えて、自ら自転車で走り回るとヒットしました。次は、冬は売れないアイスよりも暖かいものが良いと、じゃがバターを売ったら、これが評判で漸く資金繰りも安定してきたとき、何か虚しさを感じるようになりました。

原点喪失で猛反省!

金儲けに躍起になる余り、原点を忘れ、事業の方向性を見失っていたのです。そこで、じゃがバーターから撤退し、和食のファーストフード店を出しました。然し、開店景気が去った後、売上はドンドン下がり、また右往左往の迷走が始まりました。この現実を直視する中、「俺はまた以前と同じ過ちを繰り返している。出来立て、熱々の美味しいものを売って、お客さんに喜んで頂きたかったはずじゃないか。全部やり直しだ」と猛省しました。

銀だこを通じて美味しいものを世界中の皆様にお届けするんだ!

市場や運営管理面含め考えた末、商品をたこ焼き一本に絞ろうと決断し、商品力から磨き直す為、たこ焼きの本場の大阪に出向いて研究しました。多くのたこ焼きを食べて気付いたのは、素材に拘ればおいしくなると云う単純な事実でした。食感や味を安定させるまでは、失敗の連続でしたが、ようやく北京ダックの作り方をヒントに、皮を揚げると云う手法に行き着き、開業から9年後、思い通りのたこ焼きが出来たのです。「銀だこを通じて美味しいものを世界中の皆様にお届けする」と云う理念は、会社のトップが「美味しいものを売るんだ」「笑顔をお届けするんだ」とブレずに言い続けなければ伝わりません。


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