贈与税の申告件数は横ばい!   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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先般、国税庁は平成29年度の贈与税の申告状況を公表致しましたので、以下にて要点を紹介させて頂きます。

暦年課税の贈与税

暦年課税の申告件数は462千人で前年に比べ0.5%減少し、その内、納税した人は 366千人で前年に比べ0.4%の減少で、納税額は1,747億円で前年比9%減、また、一人当たりの納税額は48万円で、同様前年比9%減でした。この内、父母や祖父母などの直系尊属である贈与者から財産の贈与を受け、かつ、受贈者が贈与の年の1月1日において20歳以上である場合に適用される特例税率(納税者に有利な税率)の適用者はと一般税率の適用者は以下の通りで、特例税率適用者の納税割合が高い点が注目されます。
特例税率適用者の申告件数 232千件 納税者数 202千件
一般税率適用者の申告件数 230千件 納税者数 163千件

相続時精算課税の贈与税

相続時精算課税の申告件数は45千人、納税した人は4千人で前年実績とほぼ変わりませんでした。一方、納税額は331億円で前年比2%増でしたが、一人当たり納税額は866万円で前年比2%減でした。暦年課税に比べ、一人当たり納税額が20倍近くある点、また、納税割合は8割近い暦年課税に比べ1割未満である点が注目されます。

(参考)相続時精算課税制度の概要
 *贈与者は贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の者のうち、贈与者の直系卑属(子や孫)である推定相続人又は孫とされています。
 *贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
*続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分して、1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算します。その贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
 *相続時精算課税を選択した者に係る相続税額は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。 その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。 なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。
* 相続時精算課税を選択しようとする受贈者(子又は孫)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に納税地の所轄税務署長に対して「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の戸籍の謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出することとされています。
 * 相続時精算課税は、受贈者(子又は孫)が贈与者(父母又は祖父母)ごとに選択できますが、いったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなる時まで継続して適用され、暦年課税に変更することはできません。


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