目指すべきは、顧客に成功体験を与え続けること! <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

和泉俊郎

ベストセラー「捨てられる銀行」 で地域金融機関を震撼させた金融庁の豪腕・森長官が、今度は、資産運用のプロ集団、日本証券アナリスト協会に乗り込んで、「顧客本意の商品を提供していない」と厳しく指摘し、「このままでは、日本の資産運用業界は衰退していくだけ」と猛省を促しました。以下講演骨子を要約抜粋して紹介させて頂きます。

積立NISA適格投信はわずか1%未満!

ここ数年、金融機関に対し「顧客本位の業務運営」をして下さいと一貫して申し上げてきた。資産運用の分野でも、お金を預けてくれた人の資産形成に役立つ金融商品・サービスを提供し、顧客に成功体験を与え続けることが企業価値の向上につながる、これは、全ての企業に当て嵌まる原則です。然るに、来年1月実施の積立NISAの対象になり得る投資信託を抽出する作業をしたところ、積立NISAの対象として適格であると認定できる投資信託は全体の僅かに1%未満、実に驚くべき結果です。積立NISAの対象となり得ないと言うことは、顧客本位の商品ではないと言うことです。


何故、長年にわたり、「顧客本位」と言えない商品が作くられ、売られて来たのか?

何故、長年にわたり、このような「顧客本位」と言えない商品が作られ、売られてきたのか? 日本の投信運用会社の多くは販売会社である証券会社等の系列会社となっていて、投信運用会社は、売れ易く、かつ、販売会社が手数料を稼ぎやすい商品を作っているのです。また、本年2月の我が国における純資産額上位10本の投信をみてみると、これらの販売手数料の平均は3.1%、信託報酬の平均は1.5%と高水準で、世界的な低金利の中、こうした高いコストを上回るリターンを挙げ得るのか甚だ疑問です。その結果、貯蓄から投資へとの大合唱にもかかわらず、リスク資産の保有割合は25年間ほとんど変わっていない。

努力の積み重ねが本源的な価値向上につながる

投資商品を買っても思うようなリターンをあげられなかった顧客は、投資額を増やしますか?そうした商品を勧めた金融機関との取引をずっと続けますか?そうしたビジネスのやり方は国際的に競争力を高めていけますか?顧客本位の業務運営を行なうということは、運用力を高めるため不断の努力をすることであり、こうした努力の積み重ねが金融機関の本源的な価値向上につながるものだと思います。私の友人の欧米の運用者たちは、24時間、365日絶えず市場の動向を注視しており、自分の資産も賭けて投資判断を行います。心も身体も擦り切れるくらいストレスが溜まる一方で、成功すれば大きな報酬を得ることが出来ます。

口先だけ行動しない金融機関は淘汰されて行く

★ 高い運用力を持つ金融機関、顧客本位が組織に根付いた金融機関が発展し、口で言うだけで具体的な行動に繋げられない金融機関が淘汰されていく「市場メカニズム」が有効に働くような環境を作っていきます。金融商品はその真の価値やコストが分かりにくい。そこで、金融庁は「見える化」への努力を行なって、優劣が見えるようにしていきます。経営者が先頭に立って、自らの能力を向上させるために何をすれば良いかを、真剣に考え実行することが、組織の価値向上に繋がり、日本の運用業界、市場の発展、国民の安定的な資産形成をもたらすものと信じています。


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