顧客感度(密度・頻度・速度)を高めて経営を変える!  <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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日経トップリーダー3月号は、「顧客感度(密度・頻度・速度)を高める」ことで経営が変わると特集を組んでいます。

社員16名の中小企業・ススキ機工は、高性能潤滑材ベルハンマーが「がっちりマンデー」で紹介される等、マスコミへの露出が多い会社ですが、その本質は”顧客感度(密度・頻度・速度)を高める経営”にあります。鈴木社長が語るその極意を以下要約抜粋して紹介させて頂きます。。

移動時間一時間以内の顧客に絞る!

新規案件の取組方針については、当社の経営計画書に、以下の点を明記しています。

①移動時間1時間以内の産業用自動機械プロジェクトのお客様に、ライバル企業の追随を許さない商品・サービスの提供を通じて、密接な関係を構築する。
②現場を重視し、様々な要望の中に潜んでいる潜在需要を顕在化し、お客様が、現在、何を求めているかを分析する。③お客様が求めている需要を満たすべく新商品・新サービスの開発を行う。
④取り組む際は、予算に上限は設けない、勝つまでやる。

何故、1時間以内に絞ったのか?!

何故、1時間以内に絞ったのか、それには苦い経験があったからです。誰でも知っている大手食品メーカーの某工場から緊急の制作依頼があり、要望通りに見積書と図面を提出したのですが、急に方針が変わったと告げられ、その案件は流れてしまいました。ところが、別件で工場を訪れると、私の図面通りの装置が設定されていました。私の図面を利用して他の業者に作らせたのです。どうして!? 憤怒が込み上げて来ましたが、その後、冷静に考えました。月に一回程度は訪問していましたが、先方にしてみれば、やはり頻繁に御用聞きに来る業者に頼みたくなるのは当然で、信頼関係が築けていなかったのです。では今後、当社が頻繁に営業出来るのか?それは無理です。何故なら、片道2時間半も掛かる為、打ち合わせしてくるだけで1日が終わってしまう、もし納品後不具合でも出て何度も通っていたら、当然利益なんて出る訳がありません。多忙を極める割に利益が出ないと悩んでいた私にとって、目から鱗が落ちる程の大発見でした。自ら顧客を半分減らすことはとても勇気のいる決断でしたが、狭いエリアに経営資源を集中したことで、売上・利益とも伸びました。

密度・頻度・速度が新商品を産む!

「何かありますか?今日は顔だけ出しました」と毎日御用聞きに徹する。そうすると、色々な悩みを打ち明けてくれ、提案型営業が出来るようになります。マスコミが取り上げてくれる「ベルハンマー」も、摩擦が原因で顧客の機械に不具合が生じる例を山ほど見聞きする中から開発がスタートし誕生しました。また、距離の近さは、納品やサービスのスピードも上げますから、顧客の信頼を高めています。


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