平成28年度税制改正 加算制度・減価償却制度の見直しなど   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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参院選は与党の圧勝に終わり、9月の臨時国会での大型経済対策が待たれる所ですが、詳細が見えない中、今回は、平成28年度税制改正の内、これまで取り上げなていなかった主要な改正事項を、以下、取り上げたいと思います。

加算制度の見直し

加算制度について以下の見直しが行われました
① 税務調査の事前通知を受け、更正や決定を予知してなされた修正申告等でない場合、過少申告加算税は、現在、課税されていませんが、5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える場合、その部分は10%)で課税され、無申告の場合、現行の5%から10%(納付税額が50万円を超える場合、その部分は15%)へ加算税の税率がアップします。
② 5年以内に繰り返し無申告又は仮装・隠蔽があった場合、現行税率(無申告加算税15%、重加算税35%)に10%を加算する措置が取られます。

上記見直しは平成29年1月1日以後の法定申告期限到来分より適用されます。

減価償却制度の見直し

減価償却制度について以下の見直しが行われました。
①建物附属設備・構築物・鉱業用の建物等の償却方法について定率法が廃止されます。この見直しは平成28年4月1日以降に取得するものについて適用されます。
②中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(30万円未満の減価償却資産の即時償却特例)について、適用期限が平成30年3月末まで2年延長され、適用対象法人の見直しも行われ、資本または出資の有無を問わず、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人は適用対象外とされます。

居住用財産の譲渡損失等に係わる損益通算と繰越控除の特例の延長

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除並びに特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例が、平成29年末まで2年間が延長されました。

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