使い勝手が良くなったスキャナ保存制度の改正 <浦安市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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7月10日の参院選に向けた選挙戦が実質的にスタートし、秋の臨時国会まで新たな税制の審議がなされない中、今回は、平成28年度税制改正の内、使い勝手が良くなったスキャナ保存制度の改正を、下記にて取り上げたいと思います。

現行のスキャナー保存制度の概要

取引の相手先から受取った請求書、領収書、契約書等(国税関係書類及び決算関係書類を除く)について、税務署長等の承認を受けた場合には、書面による保存に代えて、下記要件の下、スキャン文書による保存が認められています。

①スキャナ機は固定型で解析度、検索機能等において一定の基準を満たすものであること
②書類の作成や受領後、速やかに入力され、ファイル毎にタイムスタンプが付されること 
③スキャナ保存前の紙書類の改ざん防止の観点から一定の適正事務処理要件を満たし、社内規程等の整備と順守がなされること

税制改正の内容

主な改正点は下記の通りです。

①  固定型要件が廃止され、スマホ・デジカメも認められます。これに伴い、経費精算がいつ何処ででも可能となりますが、デジカメ・スマホの場合、受領後3日以内にタイムスタンプを付与する必要があります。
②  事務処理の流れは、経理担当者が領収書等原本を確認後に経費精算しスキャン→タイムスタンプ付与→定期検査(原本との照合につき1年に一回以上の抜き取り検査)→原本廃棄から、改正により、従業員等が受領・スキャン後、社内PCやクラウド等へタイムスタンプを付与し転送→経理担当者は原本確認をせず記録事項を確認し経費精算→定期検査→原本廃棄の流れへ変わります。
③  小規模事業者については定期検査は税務代理人の検査でも可とされ、また、受領者が経理担当者を兼ねることも認められる為、少人数でも導入が可能です。

適用時期

平成28年9月30日以後の承認申請から適用されます。


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