糾弾を賞賛へ変える!   <浦安・市川の中小企業支援コラム>

和泉俊郎

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産廃処理会社の石坂産業㈱は、1999年、テレビ報道のダイオキシン騒動に巻き込まれ、地元住民や環境保護団体により”闘争小屋”が建てられる窮地に瀕しまし。然しながら、その後「2013年おもてなし経営企業選」に選ばれる存在へと変貌しましtた。日経トップリーダー5月号は、この石坂産業㈱を取り上げ、根気良く、周囲を巻き込みながらそのの取り組みを、石坂典子社長へのインタビューを通じて紹介しています。以下要約抜粋。

ダオキシン騒動で瀕死の窮地へ

売上の7割を焼却事業に頼りながら、苦し紛れに、当時社長だった父へ、「いっそ焼却なんてやめちゃったら?」と云ってしまいました。父は黙りこくりました。けれど、短い間を置いた後、「地域に必要とされない仕事をしても仕方ないからね」と。父はこの地に強い愛着を持っていたのです。ならば、父の思いを受け、何があっても絶対に、この会社を「地域に愛される会社」に変えよう、それが崖っぷちまで追い詰められた石坂産業が生き残る唯一無二の道だ。そう思い至って社長に志願しました。

廃炉の決断

住民訴訟にもなった「廃炉」への決断を埼玉県へ伝えるとともに、生き延びるため、これまで細々と手掛けていた建設現場で発生する解体資材の減量化事業について、そのプラントの増強をしたいので、その為に必要な許可を速やかに出して欲しいと要請した結果、計画申請から3ヶ月という異例のスピードで許可が下り、辛うじて生き延びる道が開けたのです。「いい会社にするから、この地域に残らせてくれ」との主張に対して、「とにかく産廃会社には消えて欲しい」と主張する人達がいて、議論が平行線を辿っていました。それでも粘り強く「必ずいい会社にしますから」と四方八方に働きかけるうち、役所でも理解者が何人か現れ、突破口が開けたのです。その後、先進的な減量化・リサイクル技術を開発し、最先端の総合リサイクルプラント施設を建設、他社の追従を許さない不動の技術力を保持するに至りました。

大きなマイナスからプラスへ!

「環境汚染の発生源」との批判をかわしたいと「地域のゴミ拾い運動」を始めたのですが、キレイにしてもキレイにしてもゴミの不法投棄で元の木阿弥で、原因は植林から農作物を産む土地へと好循環型農業を目指して作られた里山(人工林)が、今や、雑木林になり果てたことにありました。里山の再生にまで踏み込まないと問題が解決しないと、行動を起こしました。やがて、再生する里山は東京ドーム3.5個分にまで広がり、地元での評判は俄然良くなりました。更に、「生物多様性の保全と回復への取組」を評価するJHEP認証で、最高ランクのAAAを取得し、「森ビルと並んで無名の中小企業がAAA取得」と、話題になりました。大きなマイナスからプラスに転じた瞬間でした。


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