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和泉俊郎(いずみしゅんろう) / 税理士

和泉税理士事務所

コラム

京葉銀行との第11回目の勉強会は「事業承継税制」

2013年11月17日 公開 / 2014年7月3日更新

コラムカテゴリ:ビジネス

11月14日(木)夕方、京葉銀行浦安市川地区の支店長9名との第11回目の勉強会を実施しました。

今年の勉強会のテーマは「事業承継税制」で、京葉銀行が現在もっとも力を入れている分野と云うことで、このテーマとなりました。

平成21年の税制改正で、円滑な事業承継を図るため非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度が導入されましたが、これまでの利用件数は数百に満たず、要件の厳しさと使い勝手の悪さが指摘されていました。

これに対応するため、平成25年度の税制改正で、一部要件を緩和する等の手当がなされました。改正の概要は下記の通りです。

(1) 経営承継相続人等の要件のうち、非上場会社を経営していた被相続人の親族であることとする要件が撤廃されます。従って、親族に限らず適任者を後継者にする場合も、適用があります。
(2) 贈与税の納税猶予における贈与者の要件のうち、贈与時において認定会社の役員でないこととする要件について、贈与時においてその会社の代表権を有していないことに改められます。つまり、代表者を退任すれば、引き続き有給役員として残留することが可能となります。従って、先代経営者の信用力も活用することが出来ます。
(3) 役員である贈与者が、認定会社から給与の支給等を受けた場合であっても、贈与税の納税猶予の取消事由に該当しないこととされます。
(4) 納税猶予の取消事由に係る雇用確保要件について、経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)における常時使用従業員数の平均が、相続開始時又は贈与時における常時使用従業員数の80%を下回ることとなった場合に緩和されます。 現行は「毎年8割以上」ですが、「5年平均で8割以上」となり、景気変動の影響をダイレクトに受けることを避けることが出来ます。
(5) 民事再生計画の認可決定等があった場合には、その時点における株式等の価額に基づき納税猶予税額を再計算し、その再計算後の納税猶予税額について、納税猶予を継続する特例が創設されます。事業の再生がし易いように配慮したものです。
(6) 納税猶予税額の計算において、被相続人の債務及び葬式費用を相続税の課税価格から控除する場合には、非上場株式等以外の財産の価額から控除することとされます。債務の相続があっても株式の納税猶予をフル活用できるように配慮 したものです。
(7) 株券不発行会社について、一定の要件を満たす場合には、株券の発行をしなくても、相続税・贈与税の納税猶予の適用を認めることとされます。
(8) 相続税等の申告書、継続届出書等に係る添付書類のうち、一定のものについては、提出を要しないこととされます。
(9) 雇用確保要件が満たされないために経済産業大臣の認定が取り消された場合において、納税猶予税額を納付しなければならないときは、延納又は物納の適用を選択することができることとされます。
(10) 経済産業大臣の認定の有効期間(5年間)の経過後に納税猶予税額の全部又は一部を納付する場合については、その期間中の利子税を免除することとされます。
(11) 経済産業大臣による事前確認制度が廃止されます。
(12) その他:資産保有型会社・資産運用型会社に係わる諸要件の改訂等がありますが、これらは要件が厳しくなる改訂です。

なお、上記改正は、所要の経過措置を講じた上、平成27年1月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用されます。

この改正を経ても、なお、使い勝手が良いとは云えず、本税制の利用件数がどれだけ増えるか、注目されるところです。


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