消費税総額表示の特例(税抜き表示)が スタート!

和泉俊郎

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消費者が商品を選ぶ際に、消費税が負担する全体価格が分かるように、消費税法は総額表示を義務付けていますが、来年4月1日から消費税率が3%アップすることに伴い、販売業者が値札等を付け替える事務負担が大きいことから、税抜き表示を認める特例が手当されており、この10月1日からスタートしました。

事業者がこの特例を活用する際の留意点は下記の通りです。

1)消費者が商品等の選択を行う際、価格表示に関する誤認を防止する措置を採る必要があります。その誤認防止措置は、消費者が商品等を選択する際に、明瞭に認識できる方法で行うことが要請され、例えば、次のような場合は、誤認防止措置が講じられていることにはなりません。

① 「当店の価格表示は税抜きです」というような誤認防止のための表示が、商品等の代金決済を行う段階まで行われていないことにより、消費者が商品を選択する際に、その価格が税込価格でないことが認識できない場合
② 誤認防止のための表示が、一般消費者にとって見づらいものであるなど、明瞭に表示されていない場合

2 )徐々に値札変更などの作業を行う店舗などでは、旧税率に基づく税込価格の値札と新税率に基づく税込価格の値札、又は税抜価格のみの値札が、同一店舗内に混在することとなります。このような場合には、個々の商品等の表示価格が、旧税率に基づく税込価格なのかどうかなどについて、例えば、次のような方法で、明らかにしておく必要があります。

ア 個々の値札において税抜価格である旨や税込価格の計算に当たって用いた税率を明示する方法
イ 値札の色によって区分する方法
ウ 商品棚等に税抜価格である旨や税込価格の計算に当たって用いた税率を明示する方法

逆に、誤認防止措置が講じられていない場合とは、次の例の場合等です。

ア 店内のレジ周辺だけで行われている
イ 商品カタログの申込用紙だけに記載されている
ウ インターネットのウェブページにおける決済画面だけに記載されている

つまり、値札の貼り替え等を行う移行期間等に、店内等の一部の商品等について、税抜価格のみの表示や旧税率に基づく税込価格等の表示を行わざるを得ない場合には、店内等のどの商品等の価格が税抜価格のみの表示や旧税率に基づく税込価格等の表示になっているのかを、消費者が商品を選定する際に誤認しないよう、明確にする必要があります。

なお、この特例は、平成29年3月31日まで有効ですが、消費者の利便性にも配慮する観点から、できるだけ速やかに税込価格での総額表示へ切り替えるよう努力義務が規定されています(但し、努力義務に対する罰則規定はありません)。

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