消費税経過措置 留意点!

和泉俊郎

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来年4月から消費税率を法律通り8%へ上げるか否か、その帰趨が注目されていますが、阿部首相は、法律通り上げることで腹を固めたようであり、今回は、来年4月以降も5%の税率が適用される経過措置の内、この9月末までの契約締結が前提となっている請負契約に限定して、以下取り上げたいと思います。

1)適用対象となる請負契約
建設、製造、測量、地質調査、設計、企画、立案、監理、映画の制作、ソフトウェアの開発等で、注文主が依頼した仕事の完成に長期間を要し、且つ、その仕事の目的物の引き渡しが一括して行われるものの内、その仕事内容が注文主の特注とされる部分が含まれる契約です。従って、注文住宅は勿論、建売住宅・分譲マンションでも、壁の色やドアの形状等について特別の注文を付すことが出来る契約も含まれます。

2)契約変更の取扱い
9月30日までに確定した契約金額を基準に、それを超えた増額は新税率となり、それ以下は5%となります。然しながら、10月1日以降に、当初の契約の目的物を変更して契約金額が減少するような場合、その変更部分は新規の契約とされ、経過措置が適用されない可能性があります。

3)書面による通知
経過措置の適用を受ける場合、注文主に対して、「当該取引が経過措置の適用を受けるものである」旨を書面により通知することとされていますが、この書面による通知は経過措置の適用要件ではないため、仮に書面による通知がなかったとしても、5%の適用が可能です。

4)住宅ローン控除等との関係
来年4月以降に居住等をする場合、需要の激減緩和策として、住宅ローン控除の控除額や自己資金で新築等をした場合の特別控除額等が大幅に増額されますが、経過措置により5%の税率が適用される場合は、この増額の適用は受けられません。

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