平成25年度税制改正: 中小企業の事業再生税制編

和泉俊郎

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アベノミクスの3本目の矢・成長戦略を市場が評価せず、株価が乱高下を続けています。阿部政権は秋にも成長戦略第二弾として「思い切った投資減税を実施する」意向ですが、内容が定かでない中、今回は平成25年度税制改正の内、中小企業の事業再生支援の為の改正事項を、以下にて取り上げたいと思います。

1) 債権放棄に伴う債務免除益の取扱いの緩和(法人税法の改正

■ 背景
企業再生の際には、金融機関等が債務免除を行うことがあり、この債務免除益は
法的整理や一定の私的整理の場合、事業再生を円滑に進める為、この債務免除益課税
が生じないような手当がされていますが、現在、各地域で企業再生の為に設立されて
いる中小企業再生ファンドが金融機関より買い取った債権について債務免除した場合、
この手当がないことから、中小企業の真の経営改善を図る意味から、同様に、債務
免除益に課税しない仕組みの構築が望まれていました。

■ 改正内容
平成25年4月1日から平成28年3月末までの3年間の間に、二つ以上の金融
機関等(信用保証協会含む)が有する中小企業者(青色申告者)に対する債権が、
合理的な計画によって中小企業再生ファンド(特定投資事業有限責任組合として
政府から指定を受けた者)に譲渡された上で、債務免除を受けた場合、資産の
評価替損の計上又は期限切れ欠損金の損金算入を認める。

2)私財提供に係わる譲渡所得の非課税措置(所得税関連規定の

■ 背景
経営者が自ら経営する企業の再建のために私財提供した場合、譲渡益があれば所得税
が課税される一方、経営者が保証債務の履行のため金融機関へ直接行う私財提供に
ついては、譲渡益課税されないとの不公平があり、事業再生を円滑に進める為、同様
の非課税措置が望まれていました。

■ 創設内容
創設内容:平成25年4月1日から平成28年3月末までの3年間の間に、合理的な再生
計画に基づき、再生対象企業の保証人となっている取締役等が行う事業用資産の
私財提供については、一定の要件の下、譲渡所得を非課税にする。


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