整理収納アドバイザーへの依頼で何が変わる?サービス内容や注意事項、費用など
「部屋の片付け方がわからない」「家事が忙しくて部屋が片付かない」などの悩みは、整理収納アドバイザーが解決してくれます。では、整理収納アドバイザーに依頼すると、いったいどのような事をしてくれるのでしょうか?主なサービス内容や時間、注意事項、気になる費用や期待できる効果などについてまとめました。
目次
整理収納アドバイザーとは
整理収納アドバイザーは、特定非営利活動法人ハウスキーピング協会の資格のひとつです。2級・準1級・1級とあり、1級をとればプロの整理収納アドバイザーとして活躍できます。講座自体は、2級が1日、準1級が2日間ですが、1級を取得するためには筆記の1次試験を経て整理収納プランのプレゼンテーションを行う2次試験に合格する必要があります。
整理収納についての基本的なことは資格を取るための講座で取得できますが、一方で、個人の片付けのセンスが問われる業種です。整理収納アドバイザーが、ホームページやブログでオーダーシステムやビフォア&アフターの写真などを掲載している場合もあるので、希望するサービスが受けられるかどうかを事前に調べることもできます。
資格を取り整理収納アドバイザーとなっても、それだけでは独立してやっていくのが難しいため、セミナーで整理収納についての講師をしたり、家事代行など整理収納の知識や技術が生かせる企業に就職したりする人もいます。家事代行やリフォームの会社で整理収納アドバイザーの派遣を行っているところもあります。
整理収納アドバイザーの仕事は、似たイメージを持たれやすいものに「遺品整理」「生前整理」がありますが、物があふれてしまった部屋の片付けや断捨離の手伝いなど、捨てられなかった物の処分は前提としていません。独立開業している人の中には、それらの資格も得て広く活動している人もいますが、整理収納アドバイザーは、基本的に「物をどこにしまうか」をアドバイスしながら、クライアントと一緒に片付けをします。
整理収納アドバイザーの主なサービス内容と注意事項
「部屋を片付ける方法を知りたい」「片付けられない部屋をなんとかしてほしい」など、整理収納アドバイザーのサービスを受けたいときに知っておきたい具体的な内容と注意事項を紹介します。
収納コンサルティング
依頼を受けると、訪問の前にクライアントの希望と部屋の状況をヒアリングします。それから、クライアントがかけられる予算や時間に沿って、サービスのプランを立てます。1回の訪問で全ての部屋を整理収納することは難しいので、どこから取り掛かるのか、どこまでやるのかを話し合います。
サービスの計画が決まったら、整理収納アドバイザーがクライアントの自宅に訪問し、部屋を見ながら実際にどのように整理収納していくかを提案します。クライアントと話しながら、クライアント側の事情や性格などを見極めて無理なく、クライアントの希望に合った整理収納がキープできるようにきめ細かいコンサルティングを行います。
片付けサービス
整理収納アドバイザーの仕事は、整理収納の口頭でのアドバイスだけではありません。クライアントと一緒に部屋の片付けも行います。このとき、クライアントの意向で不用品を処分することはありますが、処分をするのはあくまでクライアントです。アドバイザーは、整理収納を行うことが仕事なので、部屋にある物を効率的に使えるような収納場所を決めたりつくり出したりして片付けていきます。
収納のためのケースやボックスは、基本的には、クライアントが使用しているものを使いますが、足りない場合には、アドバイザーが事前に100円均一ショップで購入したシンプルなデザインのものを用意して使うこともあります。
注意事項
整理収納アドバイザーは、一緒に片付け作業をしますが、片付けのコンサルティングが主な仕事なので、基本的に掃除や不用品の処分はしません。場合によっては、アドバイザーがハウスクリーニングの資格や遺品整理の資格を取得していて対応できることもありますが、事前に確認しておく必要があります。
また、整理収納アドバイザーを派遣している会社は、派遣の対応エリアが決まっています。関東圏、関西圏をカバーしている会社が多いので、それ以外のエリアで整理収納アドバイザーのサービスを受けたい場合は、家事代行サービスのマッチングサイトで検索してみましょう。
整理収納アドバイザーによくある依頼内容とサービス
整理収納アドバイザーに依頼するとき、どのような依頼が多いのでしょうか。最終的にすべての部屋の整理収納をするケースもありますが、その多くは、「クローゼット」「キッチン」「子ども部屋」の片付けです。それぞれの依頼内容とサービスご紹介します。
クローゼット
「クローゼット」は扉が閉まると中が見えなくなるので、衣類などを適当に詰め込んでしまう場所でもあります。詰め込みすぎると、奥の方には何かあるのかがわからなくなって、見ることもない衣類がたまっていきます。
整理収納アドバイザーは、まず、整理から始めます。クローゼットの中の物を全て扉の外に出して、使う(日常着る)物、使わない(着ない)物、季節物など使用頻度や必要性で分類します。その上で、使わない物をどうするかを見直しして、処分するものは処分して、使えそうなものは使うようにします。
あとは、使用頻度の高い物はすぐに見つかるよう、奥の方も取り出しやすいように配置して収納します。ハンガーに掛けるべき物の選択や衣類の畳み方などもアドバイスしますが、整理収納アドバイザーから「着ないのなら処分しましょう」とは言いません。プロの整理収納技術にかかれば、処分しなくてもきれいに収めることができます。
キッチン
毎日フル稼働なので片付けがあと回しになりがちな「キッチン」。特に、冷蔵庫の中がそうですが、奥の方に使わない調味料、賞味期限切れの食品、冷凍焼けした食品など、使えない物が空間を占めている場合があります。衣類などとは違って、キッチンの不用品は使えないことがハッキリしているので、まずは、それらの廃棄処分から始めます。
調味料などの細かいものは収納ボックスを活用して、取り出しやすいように収納します。鍋やフライパンなどの大物は、収める方法を工夫するだけでスッキリ収納できます。調理の際の動線を考慮した物の配置などもアドバイスします。
子ども部屋
「子ども部屋」は、オモチャなど物が多い上に、子ども任せにしてしまって散らかしっぱなしになりがちです。子どもに「片付けなさい」と言っただけでは、片付かないのが現実でしょう。
使う物だけ出して、あとはしまうように習慣づけるために、子どもの目線で出し入れしやすい収納場所をつくります。オモチャや本、衣類などを収める場所が明確であれば、出したらしまうという行動も無理なくできます。整理収納のポイントをアドバイスするので、子どもと一緒に片付けのコツを学ぶこともできます。
そのほかの仕事(資格取得支援、セミナー、講演)
整理収納アドバイザーは、クライアントの自宅で整理収納のサービスを行う以外に、整理収納アドバイザーの資格を取るための講座の講師をしたり、部屋の片付けのコツを紹介するセミナーを開催したりします。
また、整理収納アドバイザーの経験が豊富であったり、関連した資格を複数取得してハウスキーピング全般のプロとして活躍したりすれば、雑誌やテレビに出演する人もいます。講演会で整理収納について講演することもあります。
整理収納アドバイザーの利用料金・システムについて
整理収納アドバイザーのサービスを受けるには、一体いくらくらいの料金がかかるのでしょうか。
片付けだけでなく、個別のカウンセリングやアドバイスを受けられることを考えると、家事代行サービスに個人レッスン料が加算されるのではないかと思ってしまいますが、相場は具体的にどのようになっているのかをご紹介します。
結論からいえば、片付けだけの家事代行サービスと整理収納アドバイザーによるサービスには、料金的な差はあまりありません。
およそ1時間4,000〜5,000円(1人派遣/消費税・交通費別)という料金設定になっています。片付けのみの場合は、最低利用時間が1時間からというサービスもありますが、整理収納アドバイザーのサービスにはカウンセリングが不可欠なので、最低利用時間は3時間というのがほとんどです。
家事代行サービスにも、整理収納サービスにも、「お試し」として最低料金でサービスが受けられるコースがあります。家事代行サービスの場合は、主に定期サービスにつなげるための「お試し」ですが、整理収納アドバイザーのサービスは、クライアントが目指している部屋づくりのための導入として設定されています。
整理収納アドバイザーの基本サービスの主な流れは、カウンセリングとコンサルティング30〜60分、整理収納のアドバイスをしながらの実施150〜120分の計180分(3時間)です。
時間内にすべての部屋を満足のいく状態にするのは難しいので、事前に決めたポイントのみになります。引き続き整理収納のサービスを受けたいときは、どこまでどのように行うかの希望を伝えて、見積もりを依頼する流れになります。
整理収納アドバイザーのサービスには、家事代行サービスなどの会社がアドバイザーを派遣する場合と、個人やグループで活動している場合があります。会社が派遣する場合は、独自に教育した社員か、提携している整理収納アドバイザーを会社が指名して派遣します。個人やグループの場合は、家事代行サービスのマッチングサイトやホームページを見て直接依頼することができます。
会社の場合は、事前に派遣してもらう人のプロフィールを伝えられはしますが、基本的にオーダーする側でアドバイザーを選ぶことができません。その代わり、会社の方でクオリティーを保証してもらっている心強さはあります。個人やグループの場合は、登録先のマッチングサイトやホームページで、来てもらうアドバイザーをじっくり選ぶことができます。
個人で開業している整理収納アドバイザーの中には、整理収納や快適な暮らし術などの書籍を出版したり、テレビ出演したりする有名人もいます。多くは、講師として活躍していますが、アドバイザーの仕事を続けている人もいるので、書籍を読んで関心を持ったアドバイザーに依頼することも可能でしょう。
整理収納アドバイザーのサービスに満足するかどうかは、アドバイザーとの相性もあります。「お試し」で満足できなくても、整理収納アドバイザーのサービス自体に問題があるわけではありません。アドバイザーのセンスが気に入って、相性もいいアドバイザーと出会えれば、生まれ変わった部屋で快適な生活を送ることができます。
整理収納アドバイザーの効果・クチコミについて
整理収納アドバイザーのサービスは、どのような効果があるのか、サービスのどのような点に満足できるのかを、実際に整理収納アドバイザーのサービスを利用した人の声でご紹介します。
<プロの仕事に感動したと>
<片付けに前向きになった>
このほか、「整理収納を理論的に教えてもらったので納得できた」「一緒に片付けをしてもらえたので心強かった」「リバウンドを心配していたが、きれいな状態をキープできている」など、片付けのみのサービスにはない、整理収納アドバイザーの仕事ならではのメリットに感動する声が上がっています。
また、整理収納アドバイザーのコンサルティングに感銘を受けて、アドバイザーが主宰するセミナーに参加して、整理収納の理論やノウハウを学び始める人もいます。部屋での生活が快適になったことで、人生を見直すきっかけを得たという人もいて、整理収納アドバイザーとの出会いが思わぬ効果をもたらすことがあるようです。
整理収納アドバイザーがもたらす変化とは
物があふれて雑然とした部屋は、本来のくつろぐべき場所から落ち着かない場所となっています。その上、「片付けなければならない」という心の重荷に常に悩まされるので、心理的にも影響があります。状態のよくない部屋に何年も暮らして慣れてしまう場合もありますが、心の中には、改善したい思いが残ったままになっているはずです。
家族構成や生活環境の変化など、人によってきっかけはいろいろありますが、部屋の片付けをすることになったとき、自分たちの手に負えない場合は、家事代行サービスに片付けを依頼するのはひとつの方法です。家事代行サービスを依頼すると、業者のスタッフに丸ごと任せることができ、その場に立ち会う必要もないのでとても便利です。
注意してほしいのは、整理収納を人任せにしてしまうと、結局はクライアントの使いやすいようにしてしまうために、それまでの部屋の使い方に戻って雑然とした部屋にリバウンドしてしまう可能性もあるので、自分で整理収納のポイントを学ぶことが大切です。
整理収納アドバイザーによる片付けのサービスは、クライアントが快適に過ごせて、リバウンドせずにその状態をクライアント自身でキープできることを目指します。アドバイザーは、片付けの前のヒアリングでクライアントの部屋の状況はもちろん、クライアントの抱える片付けの悩みも聞き取ります。
整理収納アドバイザーは、資格取得の際に整理収納理論を学んでいるので、理にかなった片付けの方法軸に、ヒアリングの内容に従ってクライアントの意向や性格に合った整理収納プランを立案します。
そして、立てられたプランのもとで整理収納を、クライアントと一緒に行います。整理収納アドバイザーから収納の細かいアイデアをもらいながら、クライアント自ら片付けをしているので、どこに何がどのように収納されていくのか、それがどのように機能的なのかを納得しながら体得できるので、片付け後の状態を自分でキープできるようになります。
クライアントは、快適な部屋で暮らし続けることができる上に、部屋の使いづらさや散らかして使いづらくしたという後ろめたさといったストレスも軽減されます。
心の重荷が取れたクライアントの中には、「気分が晴れやかになった」「片付けができない悩みがなくなった」「前向きな気持ちになれた」など、多くの人が、まるで心理カウンセラーのカウンセリングを受けたような感想を寄せています。
まとめ
「部屋の乱れは心の乱れ」といわれることがあります。部屋が汚いとストレスになりますが、精神的なストレスから整理収納ができなくなっている場合もあります。「家事や仕事で部屋の片付けが追いつかない」という声はよく聞きますが、時間が足りないというよりは精神的なストレスで片付ける気力が奪われているのかもしれません。
「すべて自分で解決しなければならない」と考えると、ストレスに苦しめられている自分をさらに追い詰めることにもなります。そんなときは、整理収納アドバイザーという片付けのパートナーの力を借りることをおすすめします。
ヒアリングによって、「部屋の状態=心の中のモヤモヤ」をアドバイザーにわかってもらい、片付けられなかった理由や片付けられるようになる方法を「一緒に考えてもらえる」という体験は、単に部屋を片付けるという行為を超えて、心の中の整理収納も一緒にやってもらうような感覚です。
整理収納の理論に従って使いやすくなった部屋は、物を探すストレスからも解放されます。物を探していた時間や片付けてできた部屋の空間など、物理的な余裕も生まれます。
自分の人生を見直すきっかけができて、整理収納についてもっと学びたくなる人もいます。片付けを担当した整理収納アドバイザーがセミナーを主宰したり、資格取得の講座を持っていたりすることもあるので相談してみましょう。