【コラム第6回】結果よりも“過程”を大切にする理由
私が指導で大切にしているのは、選手に対して単に「もっと速く走ろう」「ここを直そう」と伝えることではありません。
できていない動きがあるのであれば、
「なぜ、その動きになっているのか」
まで考えることを大切にしています。
例えば、接地位置や姿勢、重心移動、腕と脚の連動、体の左右差、柔軟性や可動域など、走りの中にはさまざまな要素があります。
実際の走りを目で見るだけでなく、動画を撮影して確認したり、必要に応じて私自身が選手と並走したりしながら、本人の感覚と実際の動きにどのような違いがあるのかを一緒に整理します。
そのうえで、課題となっている動きを細かく分解し、ドリルやトレーニングにつなげていきます。
「できないこと」を叱るのではなく、「どうすればできるようになるのか」を一緒に考えることが私の指導方針です。
特に成長期の子どもたちは、体格や体の使い方が大きく変化します。同じ年代、同じ種目であっても、必要なアプローチが全く同じとは限りません。
だからこそ、一人ひとりの状態を確認しながら、今その選手に必要なことを考えるようにしています。
また、結果だけで選手を評価することもありません。
タイムや順位はもちろん大切ですが、そこに至るまでに何を考え、何を変え、どんな努力をしてきたのか。その過程にも目を向けることで、競技だけでなく、人としての成長にもつながってほしいと考えています。
私自身、小学6年生の頃、先生から走り方を教えてもらったことで、100mの記録が15秒台から約1カ月で13秒台まで伸びた経験があります。
「走り方が変われば、こんなに速く走れるんだ」
と感じたあの時の驚きや喜びが、現在の指導者としての原点です。
今度は私が、選手一人ひとりにその可能性を感じてもらえるような指導を届けたいと思っています。


