共有不動産の賃貸管理
●オーナー様の都合で入居者さんに退去してもらうのは難しい?
稀な場合ですが、オーナー様の都合で入居者様に退去してもらうときがあると思います。そんなときに是非参考にしてみてくださいね。
なお、契約の形式により細かい違いがあるため、賃貸借契約において一番多い契約類型、すなわち、「賃貸する期間が決まっており、更新ができる契約」についてお伝えいたします。
退去してもらう方法はこの3つ!
更新拒絶をする
解約の申入れをする
解約の合意を得る
では、それぞれ、どのような方法なのか見ていきましょう。
① 更新拒絶をする
賃貸借契約は通常2年の契約期間を定めています。そして、契約期間満了時には、更新により契約期間を伸ばすことができます。この更新を拒絶することにより次回以降の契約を「しない」事ができます。これを「更新拒絶」といいます。
ただしこの更新拒絶には「正当事由」が必要となります。
②解約申入れをする
次に、オーナー様の側から解約の申入れをするという方法があります。もっとも、この場合は、解約申入れの規定を契約書に盛り込まなければできません。
ただし、こちらの場合でも「正当事由」が必要となります。
●正当事由ってなに?
上記2つの方法では、「正当事由」が必要となります。この正当事由は、一言で言うことは難しいのですが、あえて言うと、貸主・借主それぞれの、建物を使う必要性や、その他様々な事情を考慮して判断されるものです。そのため、正当事由の有無は、判断が難しく、この点で争うと裁判所の力を借りる事になりかねません。
③解約の合意を得る
そうすると、上記①②の方法では、費用も時間もかかってしまうので、実際には借主の合意を得ることになります。
そして、結論から言うと、借主様も生活があるので退去に同意してもらうのは、なかなか難しいものです。そのため、オーナー様から退去を申し出る場合には、引越し費用等の負担とセットで借主様に退去の同意をもらうということが必要となります。
●法律は借主を保護するようにできています・・・
賃貸経営について主に適用される借地借家法は借主を保護するようにできています。「借主に不利な契約は無効とする」という条文までありますから。したがって、オーナー様の側から簡単に退去をしてもらう、ということは難しいんですね。
とはいえ、オーナー様側にも様々な事情があります。もし、そのような状況になりましたら、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。