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認知症 薬の処方

加藤武範

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テーマ:高齢者 介護 問題

有料老人ホームに母親を入居させている友人とそのケアマネジャーからこんな相談を受けました。

今年2月に有料老人ホームに入居したのですが、認知症が進行し、帰宅願望が強く、昼夜不穏で徘徊が止まりません。施設と主治医の意向で、里心が付くからと言う理由で息子さんは一度も面会できない状況です。薬でコントロールして落ち着かせて…と主治医から息子さんも説明を受けているそうですが、だんだん歩行も怪しくなってきているし、これからどうすれば良いだろう?
という事で、ケアマネジャーからは、本人の様子を撮影した動画も見せてもらいました。

本人が不穏になるからといって、4ヶ月も面会禁止っておかしくないですか?というのが、私の印象ですが、施設だけでなく、主治医からも指示があるとなると、なかなか強行突破するのは困難です。
そこで、内服中の薬がどんなか?懇意にしている薬剤師さんにコメントもらいましょう~と提案しました。
早速、相談してみるとこんな、返信が来ました

<薬剤師のコメント>
歩き方から、抗精神病薬を重ねていることによる薬剤性のパーキソニズムが起こっていそうな気がしました。
また、効果が乏しいことの理由としては、それぞれの薬剤が低用量で、中途半端であるためにこの入居者さんにとっての有効量に達していないのかもしれません。
医師の考えとしては、それぞれの薬剤を低用量に抑えて安全性を考慮しているのかもしれませんし、低用量だからたくさんの種類の薬を使えるとお考えなのかもしれません。
しかし、薬は効かないといけません。また、リスペリドンやアリピプラゾールは1日2回までの薬ですが、3回で処方されています
もっとシンプルにしたら良いのではと、思いました。

餅は餅屋…素晴らしいコメントです。
薬の処方目的や効用については分かりづらいですし、効果が顕著でないと家族やケアマネジャーは不安を感じ始めます。そうした不安を少し軽減してくれる情報だったと思います。
ただ、この情報を闇雲に主治医にぶつけることはできないです。ここからがケアマネジャーの腕の見せ所ですが、難題です。

ケアマネジャーといっても、基礎資格によって、得手不得手があると思います。ケアマネジャーは自分に足りない部分を新たな社会資源を発掘するか?新たなネットワークやコネを作って、解決の糸口になりそうな窓口を持っておく事も重要です。

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加藤武範
専門家

加藤武範(ケアマネジャー)

合同会社福寿想

リハビリ病院で医療ソーシャルワーカーをしていた経験から、地域のネットワークとも連携。従来の福祉的な視点に捕らわれない柔軟な発想で、介護を必要としている方やその家族にとって本当に必要な介護を提案します。

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