資格取得届が未提出だった期間に病院にかかった場合、全額自己負担？【健康保険】

こんにちは。毎日暑い日が続きますが、熱中症には十分注意してください。

さて、当事務所に寄せられる御質問は労働保険（労災保険・雇用保険）よりも社会保険（健康保険・厚生年金保険）の件数が多めです。やはり、社会保険（特に健康保険）のほうが、通院などで使用する機会が多いからでしょうか。
今回も、先日寄せられた健康保険の御質問についてお答えいたします。

御質問内容

先日、正社員としてとある会社に就職しました。社会保険にも加入できるとのことで、保険証が手元に届くのを待っていたのですが、なかなか届きません。そこで事務担当者に確認したところ、忙しくて届出をしていないとの返事でした。
そこでふと思ったのですが、会社の届出が遅れている間に私が急病等で病院にかかった場合、全額自己負担なのでしょうか?

お答え

法律上、事業主は従業員を採用した場合、5日以内に被保険者資格取得届を提出しなければなりません（健保則24条）。今回のケースはこの期間を過ぎてからの御質問でしたが、実務上では遅れて5日を過ぎて提出するケースも多々あります。そういったときに全額を払わなくてはいけないのだったら大変ですね。

取得届が提出されていない段階で病院にかかった場合は次のような手続きをすることになります。
①窓口において全額を支払う（その際に交付される領収書を必ず保管)
↓
②健康保険療養費支給申請書を協会けんぽ宛に提出
（その際に領収書の原本および、診療明細書の添付が必要となります)
↓
③指定の口座に健康保険法に規定に基づき算定した額から、本人一部負担金を控除した金額が振り込まれます。

このように、取得届が出されていない場合であっても、立替払いをして後日、本人一部負担金部分以外は償還されるのですが、診療明細書の作成を医師に依頼しなくてはならない、療養費が償還されるまでにかなりの日数がかかる等、負担が増えますので、事務担当者に早期に手続きをしてもらうことが重要です。

本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。