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ラジウム温泉とラドン温泉の違い

2020年7月31日 公開 / 2023年6月29日更新

テーマ:ラドン温泉の効果・効能

コラムカテゴリ:美容・健康

ラジウムやラドンの名前から、何となく放射能が含まれた温泉のイメージがあるかもしれませんが、ラジウム温泉とラドン温泉はそれぞれ違う質の温泉です。

両方とも確かに微量の放射能を含む物質ですが、物質の性質や温泉としての効能の違いを理解しておかないと求める効果が得られません。名前だけで「効きそう」と判断することのないように、ラジウム温泉やラドン温泉はどのようなものなのかをご紹介します。

ラジウム温泉とは?

ラジウムは、ウランやトリウムという放射性物質が変化した物質で、ラジウム温泉のラジウムは主にウラン系です。

ウランは白色の金属で、微量ながら地球上に広く存在する不安定な物質なので、安定するために他の物質に変化します。この「変化」を壊変といい、ラジウムはウランが200~300億年もかけて壊変(かいへん)して生まれた物質です。

ラジウムもまた金属で、マグネシウムやカルシウムと同じ仲間です。ラジウム温泉とは、ラジウムを含んだ鉱石から成分が溶けだした温泉で、ラドンなどウラン系列の元素が混ざりあった微線量の放射能泉です。

放射能を表す単位に「ベクレル(Bq)」があり、温泉水1kgにラドンを111 Bq以上含んでいる温泉を放射能泉といいます。

ラジウム温泉といっても、実際はラドンや、ラドンと同じようにトリウムが壊変したトロンが含まれていていることが条件になります。天然のミネラル成分と微量の放射能の効果で痛風、高血圧、皮膚病や婦人病に効果があるとされています。

ラドン温泉イメージ

ラドン温泉とは?

ラドンは、ラジウムが変壊してできた無色・無味・無臭の気体です。空気より重く、水に溶けやすい性質なので、井戸水にも含まれるなど自然界に存在する物質でもあります。

ラドンの最大の特徴は強力なイオン化作用で、呼吸とともに体内に入って血液に吸収されることから医療への活用が研究されてきました。体内に吸収されたラドンのイオン化作用で血液の流れがよくなったり、細胞の新陳代謝を促進したりします。

血液をドロドロにしたり血管を老化させる中性脂肪、コレステロール、窒素化合物などが、血流がよくなることで速やかに排出されるので、高血圧、動脈硬化、高コレステロール血症、糖尿病などに効果があります。また、コリや痛みの原因になっている老廃物の化学変化が急速に進んで、肩こりや神経痛などを短期間に改善します。

もう一つ、ラドンのイオン化作用には神経組織へ特殊な鎮静作用があります。自律神経系に対して神経系の電子配列に変化を及ぼして、自律神経失調症、更年期障害、めまいや耳鳴り、メニエル病、冷え症、神経系頻尿症などに特に効果的です。

ラドン温泉とは、ラドン発生装置によって浴槽内に一定の濃度の安全なラドンガスを送り、浴室内で呼吸から、温浴中に皮膚から吸収するシステムのことを指します。
ラドン温泉は人工的にラドンを発生させて気体としてラドン吸入室へ送り込んでおり、天然でラドンを含むラジウム温泉(放射能泉)とは違います。

ラドンを送り込むお湯は、天然温泉水でも水道水でも問題なく、天然温泉水に送り込んで溶け込ませたものは、天然ラドン温泉とも呼ばれラドン以外のミネラル成分の効能も相乗作用として期待できます。

ラジウム温泉(放射能泉)に含まれるラドンは自然のものですが、ラドン温泉とは違い供給量が安定せず、入浴の効果にも影響します。
また多くの放射能泉にはトリウムから壊変したトロン(ラドンの同位元素)を元々のラドン以上に含んでおります。

さらに、ラドン温泉は安全なラドン元素のみを抽出して使用しています。出る放射線は浸透力が低くてDNAを破壊できないα線のみで、入浴において人体が受ける被ばくも非常に少ないので心配ありません。その上、人体に入ったラドンは約3時間で99.7%排出され、残留物質が蓄積されることもありません。

トロン温泉とは?

トロンは、トリウム系ラジウムが変壊してできた物質です。半減期が55秒と短いため、気体として発生せず温泉中に液体として存在しています。

トロン温泉は、数種類の天然鉱石を砂状にしたものをトロン浴素として水道水の浴槽に入れた人工温泉です。トロン浴素の遠赤外線効果とイオン化作用で体がぬくもりやすく、新陳代謝が促進されます。

温泉に入る猿

ラドン温泉のあゆみ

ラドンの医学的効果の研究が最も盛んなのはロシアで、1960年にはラドン泉療法が確立しています。

同じ頃、日本ではラドンの創始者といわれる小泉元胤氏と今津三郎医学博士がラドンの研究に着手。日本ラジウム医療研究所の設立とともに、最初のラドン発生装置システムを完成させています。

以後、ラドンを人工的に発生させる大規模装置の研究が行われ、本格的なラドン温泉が誕生します。

1972年にラドン開発事業団(理事長・小泉元胤氏)が発足し、日本で初めての大規模ラドン温泉施設「大船ラドン温泉」が開業します。
1974年の「水戸ラドン健康センター」開業以降、ラドン温泉は全国に相次いでつくられ、平成元年には北海道から九州まで数百カ所にもなっています。

なお、ラジウム温泉の法的な名称は「放射能泉」で天然温泉ですが、「ラドン温泉」や「トロン温泉」は商標名で、ラドンやトロンを人工的に発生させた設備名です。

この記事を書いたプロ

早川善輝

湯治のプロ

早川善輝(ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ)

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