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コラム

温泉や湯治でアトピー・皮膚病に効果的な入浴方法

2020年7月17日

テーマ:湯治とは

コラムカテゴリ:美容・健康

季節を問わずアトピーによる湿疹やかゆみに悩まされている人は多く、しかも何年間も症状が改善されないことが少なくないようです。

症状としては、慢性的なかゆみを伴う湿疹が体のあちこちに表れます。ひどいときは全身に表れることもあります。

アトピーは温泉につかるといいとよく聞きますが、どうしてなのでしょう。その理由と温泉の選び方、効果的な入浴方法や注意点を紹介します。

温泉の保湿効果がアトピーの予防につながる

アトピーに温泉が効果的な理由としては、温泉の保湿効果があります。

アトピー性皮膚炎は、肌が荒れてカサカサとした状態、白い粉を吹いたように見える状態になる、また、皮がむけるなどの症状がでます。これは、保湿機能が低下して、肌が乾燥している状態でもあります。この低下している保湿機能を補うために、温泉の高い保湿性が有効だと考えられます。

温泉の保湿機能が肌をベールのように覆い、乾燥から守ってくれ、かつアトピーの予防にもつながります。

ただ、温泉でアトピーが治るわけではありません。根本的な治療は、医療に頼った方がよいでしょう。温泉は、肌の保湿を補い乾燥から守るという、治療の補助的役目の一つとして捉えておきましょう。

肌に悩む女性

ポイントは源泉かけ流しと清潔な施設

温泉の選び方で大切なのは、源泉かけ流しがあり、施設が清潔に保たれているかどうか、ということです。アトピーの皮膚はデリケートで抵抗力が弱く、雑菌との合併症を招く場合が多いので、まずこの2点に注意しましょう。

また、温泉がアトピーの肌の保湿に有効といっても、どんな温泉でもいいというわけではありません。アトピーに効果的とされている温泉の、代表的なものを挙げます。

【酸性泉】
アトピーに効果的な温泉はいくつかあり、代表的なのが「酸性泉」です。酸性泉には優れた殺菌効果があるので、アトピーの原因の1つである黄色ブドウ球菌の増殖を抑えてくれます。

【炭酸水素塩泉】
美肌の湯といわれる「炭酸水素塩泉」は、皮膚表面の古い角質や汚れを取り除く作用があります。このお湯につかると、肌がツルツルになっていくのが実感できるでしょう。
ただ、お湯から上がると皮膚から水分が蒸発してカサカサに乾燥してしまうので、十分に保湿をすることが大切です。

【単純温泉】
単純温泉は他の泉質より効能成分が薄いので刺激が少なく、肌が弱い人に適しています。

アトピーの方の肌はとてもデリケートなので、上記の温泉が、アトピーの多くの人に同じような効果があるとは限りません。人によっては、症状が悪化する場合もあります。

実際に入ってみないと、効果のあるなしはわからないので、いろいろな温泉を試してみましょう。
温泉に入って、肌が余計にかゆくなる、チクチクと刺すような痛みが出る、発疹がひどくなるなどの症状が出たら、すぐに上がりましょう。

温泉自体がアトピーに有効と言うより、非日常の温泉地でリラックスできるという精神的な解放感が、症状の改善につながることもあります。まずは刺激の少ない温泉から始めて、自分に合った温泉で、心からゆったりと過ごしてみましょう。

刺激の少ないぬるめのお湯に短時間

アトピーには、ぬるめのお湯をおすすめします。熱いお湯は皮膚を刺激し、また、体を温めすぎると、血流がよくなってかゆみが増幅します。かゆくて思わずかきむしってしまい、炎症を起こしてしまうこともあります。
最初は長時間の入浴は避けて、ぬるめのお湯に入り、様子を見ながら徐々に入浴時間を長くしていきましょう。もし体に異常を感じたら、すぐに上がりましょう。

入浴前後はゆっくりと休憩を

温泉に着いたら、1時間程度休憩をして入浴しましょう。移動中に体のリズムや体調が乱れることが多いので、休憩をして体が落ち着いてから入浴しましょう。

症状の改善が遅くなる可能性もあるので、入浴前の飲酒は避けましょう。入浴後もゆっくりと休憩をして、食事もすぐにはとらない方がいいでしょう。

また、体に負担をかけないためにも、1日に何度も入浴するのではなく2~3回程度が適しています。

2~3日後の体調に注意

温泉入浴を始めてから2~3日後に、湯あたりになることがあります。全身の倦怠感や食欲不振、気分が悪くなり頭痛がするなどの症状が出ることもありますが、1日入浴を控えると少しずつ回復していきます。

最初はアトピーの症状が悪化する場合もあるので、その時はすぐに上がり、また時間をおいて試してみましょう。少しずつ時間をかけて入浴することで、症状が改善することもありますが、悪化する場合は、その温泉が肌に合わないのでやめた方がよいでしょう。

アトピーの場合、皮膚のバリアが弱まり、体力も消耗しているので、とびひ、毛包炎、ヘルペスなどの感染症にかかる恐れがあります。気分が優れない時や体調が悪い時は、入浴を控えるなど、無理をせず休みましょう。

温泉につかる女性

入浴後のケア

温泉には保湿効果があるからと安心せずに、入浴後には丹念に保湿ケアをすることが大切です。いつも使用しているスキンケア製品や薬を持参し、いつもと同じようにケアをしましょう。

温泉がアトピーに効果的といっても、効果は人それぞれです。まずは刺激の少ない泉質から始めて、自分の症状に適した温泉を見つけましょう。そして温泉でアトピーが治るのではなく、あくまでも医療の補助ということを理解しておきましょう。

この記事を書いたプロ

早川善輝

湯治のプロ

早川善輝(ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ)

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