マイベストプロ山梨
伊藤龍吾

「日本人の心」を追求する空手指導のプロ

伊藤龍吾(いとうりょうご) / 格闘家

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

コラム

~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 69 ~

2023年4月27日

テーマ:伝えたいこと

コラムカテゴリ:スクール・習い事


 士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを転載します

 2023年 5月号 士衛塾山梨ニュースより
 
 この間感じたことなどを、こちらに書いています。ぜひ、皆さまご一読いただければ幸いです

■ 東京都大会 ■
 3月25日に開催された東京都大会で、伊藤龍平先生が一般男子重量級で優勝しました。中学校を最後に、士衛塾本部が教えている新潟の開志学園高校に推薦入学し、テコンドーへと転向し、強豪校の大東文化大学に推薦入学。大学卒業後も続けていましたが、山梨に戻ってくることで、再度空手を始めることとなり、空手の試合はおよそ13年ぶりの再デビュー戦となりました。
 テコンドーの選手時代は-54kgで出場していましたが、空手の試合に出るために図らずとも20kgほど増量して臨みました(笑)
 身長が大きくないので、中学生までの試合は勝っている記憶がなかったのですが、今回の大会では身長差をモノともしない、士衛塾カラテの理想の形で勝ちました。
空手よりも何十倍も大変なテコンドーの練習を何年間も毎日積み重ねてきたことは大きな財産となり、それが空手で発揮できました。
 身体の特徴をコンプレックスとしてマイナスに捉えることなく、身長の高さや低さ、体重の重さ軽さを、それぞれ生かして組手ができるようになると良いですね。
 ちなみに私は、試合では自分より小さくて軽い人が一番苦手です。

■ 越山杯 ■
 4月1日の越山杯に向けて、2月から4回、特別練習会を行ってきました。練習会を重ねるごとに参加者が上手になっていき、良かったのですが、驚いたことに最終の練習会の時、演目が太極1の多くの子たちのレベルが下がっていました。本番直前、仕上げの練習会での事に、教える側の私たちも「どうしよう」と思いました。ところが試合当日は、失敗することなく、実力通りの演武ができ、ホッとしました。
 さて、私も久しぶりの型試合でした。普段から行っている型ではないので、それなりに練習して本番に臨みました。
 会場の柔道場の畳みは、周りは固くコート内は柔らかくなっています。「この柔らかさだと、普段よりも足を広げるとバランスを崩しやすいので気を付けなければ」「ふらつかないように気を付けよう」と思っていました。決勝戦を前に相手に「畳、柔らかいのでバランス崩しやすいですよね」と話したところ「えー。そうなんですかー」とまったく気に留めていませんでした。気にしていたのは初心者の私で、上級者は地盤など気になるレベルではなかったということです。話した自分が恥ずかしかった。普段から、土台や軸、足が大事だよと教えている割に、ダメな自分がよく分かりました。上級者にとっては演武する場所の地盤は関係ないということです。まさに「弘法筆を選ばず」でした。
 組手では、試合前こそ緊張しますが、試合中は緊張せず集中できるのに、型では勝手が違いました。どんどん緊張が増していきます。手の震えが分かり、足の震えもわかりました。終始緊張して終わりました。先生方からは「緊張してましたねー」、最高師範からは「支部長のあんなに緊張している顔久しぶりに見た」とか言われました。そう、それほど私は緊張していました。
 型は、演武と言って「伝える」ものがあります。力強さであったり、雄大さであったり、気迫、リアリティ等々。それを見ている人に演武しながら伝えることが醍醐味であり、熟練することです。
 私は、すべての人に「私の緊張」が伝わりました。はっきり言ってこれではダメです。演武にもなっていません。頑張って練習した結果、伝わったのは「緊張」。ガッカリです。かろうじて準優勝はさせていただきましたが、優勝者との差は歴然でした。
 当初は全日本大会に選抜されても、午前中の組手に出るので型は出るつもりがなかったのですが、型も出ることにしました。全日本大会では「緊張」ではなく、「何か」を見ている人に伝えられるように進化したいです。
 伊藤龍吾が当初思っていた、「予選会で入賞すればそれで良し。全日本には出ない」という思惑通りにはさせず、自分自身を裏切ることとしました。それが自分の殻を破り、レベルアップをすることだと思うからです。常に挑戦している自分自身でありたい。

■ 世界大会 ■
 4月7日(金)~9日(日)にかけて、横浜で行われた「第5回極真連合杯 世界空手道選手権大会」に行ってきました。
 士衛塾山梨から、中村仁実さんが士衛塾山梨の代表として日本の代表として戦ってくれました。私が予選で負けたため、出場したくてもできなかった、この場所に出場権を獲得して連れてきてくれた中村仁実さんに心から感謝します。私は、会う人会う人「何でスーツ着てるの?何で道着じゃないの」とか言われるし(笑)ガクッ!!
 中村さんは準々決勝で敗退しましたが、世界第2位になった選手との戦いは、今までの戦いの中で1番素敵で凛と輝いていました。様々な選択肢とチャンスをつかんで出た世界大会、言葉では表現できないくらい素晴らしかったです。
 出場者それぞれが色々なものを背負って出場しています。
 沖縄の姉妹は、2020年に36歳の若さで亡くなった先生の意思を次いで道場の責任者となり、先生との約束の世界大会で姉妹対決果たしました。亡くなった先生も、姉妹も身体が小さいながらも「小よく大を制する」空手家です。
 決勝戦の勝利者インタビューでは涙が止まらず。そして、下から見上げる、舞台で戦っている仲間がカッコよくて…勝ったことが本当に嬉しくて、泣いてしまったりしました。人の組手を見て、こんな風に思ったのは初めてでした。素晴らしい戦いを見せてもらって、感謝しかありませんでした。こんなに素晴らしくて凄い人たちと過去に戦ったなんて、自分自身、信じられない思いです。その場にいることができて、本当によかったです。
 いま、この時に、私と関わっていただいている皆さまにから元気と勇気をもらい感謝できた日でした。

■ そして進化 ■
 世界大会で、世界第2位の選手との戦いを繰り広げ、そして、初段の黒帯を締めている中村さん。
 帰ってきて、初めての組手の稽古で「進化」していました。
 今までの、緊張感と余裕の無さが出ていた組手から、堂々とした余裕と貫禄のある組手へと進化しました。これには私たちも驚きました。高い山に挑み、それを乗り越えると人はここまで変わることができるのかという思いです。挑んでみて本当に良かったですね。
 ようこそ、黒帯の世界へ!!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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