歯が抜けても終わりじゃない!ハイシニア期に「お口のお掃除」が必要な理由
乳歯が抜けない「乳歯遺残」って?パピー期に見逃せない歯並びのポイント
「歯が二重に生えているように見える」「犬歯が2本並んでいる気がする」
子犬や子猫を迎えた飼い主様から、このようなご相談をいただくことがあります。
成長期は、乳歯から永久歯へと生え変わる大切な時期です。しかし、本来抜けるはずの乳歯が残ってしまう「乳歯遺残(にゅうしいざん)」が起こることがあります。
乳歯遺残は、見た目だけの問題ではありません。将来的な歯周病や歯並びの乱れにつながる可能性があるため、早めに気づくことが大切です。
今回は、パピー期・キトン期に知っておきたい乳歯遺残の基礎知識と、お口のチェックポイントについてご紹介します。
※パピー期:生後0ヶ月から12ヶ月(1歳)までの子犬の時期
※キトン期:生後0ヶ月から12ヶ月(1歳)までの子猫の時期
乳歯遺残とは?なぜ注意が必要なのか
犬や猫の歯は、一般的に生後4〜6か月頃から永久歯への生え変わりが始まり、生後7〜8か月頃までに完了するとされています。
通常は、永久歯が下から生えてくることで乳歯の根が吸収され、自然に抜け落ちます。
しかし何らかの理由で乳歯が抜けずに残ってしまう状態を「乳歯遺残」といいます。
特にチワワ、トイ・プードル、ポメラニアンなどの小型犬では比較的多く見られます。
歯周病のリスクが高まる
乳歯と永久歯が重なって生えると、その間に汚れがたまりやすくなります。
歯ブラシも届きにくいため、プラーク(歯垢)が蓄積しやすくなり、若いうちから歯肉炎や歯周病を発症する原因となることがあります。
歯並びや噛み合わせに影響する
乳歯が残ることで永久歯が本来の位置に生えられず、歯並びが乱れることがあります。
場合によっては、歯が歯ぐきや口の粘膜に当たり続け、痛みや炎症を引き起こすこともあります。
生え変わり期にチェックしたい3つのポイント
生後5か月頃を過ぎたら、日頃のスキンシップの中でお口の様子を確認してみましょう。
① 犬歯が「二枚歯」になっていないか
特に確認していただきたいのが犬歯です。
太い永久歯の横に、細く尖った乳歯が並んで残っている場合は、乳歯遺残の可能性があります。
② 歯ぐきに赤みや腫れがないか
歯が生え変わる時期は多少の違和感が出ることがありますが、
・歯ぐきが赤く腫れている
・出血しやすい
・強い口臭がある
といった場合は注意が必要です。
汚れがたまり、炎症が始まっている可能性があります。
③ 歯の向きに異常がないか
永久歯が斜めに生えていたり、舌や口の内側に当たっていたりしないかも確認しましょう。
噛み合わせに影響するケースもあるため、気になる場合は早めの相談がおすすめです。
パピー期こそオーラルケアのスタート時期
「生え変わりが終わってから歯磨きを始めよう」と考える方もいますが、実はパピー期こそオーラルケア習慣を身につける絶好のタイミングです。
まずはお口に触られることに慣れる
生え変わり中のお口はデリケートです。
いきなり硬い歯ブラシを使うのではなく、
・歯みがきシート
・ゆび歯ぶらし
などを活用しながら、お口に触られることに慣れてもらいましょう。
無理なく進めることで、将来の歯磨き習慣につながります。
毎日の観察が早期発見につながる
お口を触る習慣があると、
「乳歯が抜けた」
「永久歯が生えてきた」
「歯ぐきの色が変わった」
といった小さな変化にも気づきやすくなります。
専門家からのメッセージ
パピー期・キトン期は、一生のお口の健康の土台をつくる大切な時期です。
「お口を触らせてくれる信頼関係」と、「異常に早く気づく観察習慣」。
この2つが、将来の歯周病予防や健康維持に大きく役立ちます。
もし生後8か月頃を過ぎても乳歯が残っているように見える場合は、一度かかりつけの動物病院で相談してみましょう。
早めの対応が、将来のお口のトラブル予防につながります。
まとめ
・生後7〜8か月を過ぎても乳歯が残っている場合は乳歯遺残の可能性がある
・乳歯と永久歯が重なると歯周病のリスクが高まる
・歯並びや噛み合わせに影響することもある
・パピー期は歯みがきシートやゆび歯ぶらしでお口ケアを始める絶好の時期
・毎日の観察が将来のお口の健康を守る第一歩
愛犬・愛猫の健やかな成長のために、生え変わりの時期こそお口の変化に目を向けてあげましょう。


