「できる社員=できる管理職」ではない理由
人は原則として、自分の年齢プラスマイナス15歳の人にしか、本当の意味では影響を与えられない
「何度も説明しているのに、なぜ伝わらないのか」
「注意しているつもりが、距離ができてしまった」
社長や管理職の方から、よく聞く悩みです。
特に、20代前半の若手社員に対して、
「自分が直接言った方が早い」
と思って指導しても、
思うような効果が出ないケースは少なくありません。
実はこれ、指導力や伝え方の問題ではないことがほとんどです。
人は原則として、
自分の年齢プラスマイナス15歳程度の人からしか、
本当の意味では影響を受けにくい
という特性があります。
例えば、
50代の管理職が20代前半の若手社員に語る言葉は、
内容がどれだけ正しくても、
- 「正論すぎて遠い」
- 「別世界の話に聞こえる」
- 「自分にはまだ関係ない」
と受け取られてしまうことがあるのです。
一方で、
30代前半の先輩社員が同じことを伝えると、
不思議なほど素直に受け入れられる場面があります。これは、
- 経験の距離感
- 価値観の世代差
- 将来像を“自分事”として想像できるか
といった要素が、大きく影響しているためです。
ここで大切なのは、
「管理職が教えなくてよい」という話ではない
という点です。
管理職の役割は、
若手を直接育てることではなく、
若手に影響を与えられる人材を、正しい位置に配置することです。
- 誰が、誰に、何を伝えるのか
- どの段階で、誰が関わるのか
この設計ができていない組織ほど、
「管理職が一番忙しく、現場は育たない」
という状態に陥ります。
逆に言えば、
年齢や立場の近い中堅社員を
“翻訳者”として機能させるだけで、
- 指示が伝わりやすくなる
- 若手の反発が減る
- 組織の空気が柔らぐ
といった変化が、短期間で起こります。
若手が育たないのは、
能力や意欲の問題ではありません。
育て方の設計が合っていないだけです。
管理職が現場で最も力を発揮すべきなのは、
教えることではなく、
「人が育つ構造」をつくることなのです。



