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【海洋散骨事業】 北海道遊覧船事故 KAZUI1のその後

入澤和志郎

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テーマ:海洋散骨

コラムを書くにあたりまずは昨年春の北海道旅客船KAZU1による海難事故に遭遇された方々、ご遺族の皆様には心から哀悼の意を捧げ行方不明者が一日も早く発見されますよう願うばかりです。

当社は海洋散骨事業で小型船5トン未満のYAMAHIRO号を所有運航しています。観光船ではございませんが一般のお客様を乗せて運航する行為は他の旅客船と同じく、運航基準を順守し、これまでもこれからもなお一層船舶機関の点検、安全運航に努める所存です。山形県の海で海洋散骨葬等ご利用計画されますお客様には安心してご相談下さいますようお願い申し上げます。

今月初め頃、国土交通省東北運輸局より封書が届きました。船舶の統括管理者に運行管理者研修会に参加を呼びかけるものでしたが、研修会場について私の勘違いなのですが封書差出先は酒田運輸局でしたので地元開催と思い込んでおりましたが案内文を読み直したところ研修会場が宮城県と分かり慌てて先方に連絡。急遽Web会議での参加に切り替えさせて頂き、約4時間に渡りWebでの研修参加とさせて頂きました。

会議開始時間、午後1:05 東北運輸局海上安全環境部長の開会挨拶から~
昨年の海難事故経過報告、旅客船の総合的な安全安心対策等~

以下少し専門的なお話になりますが、私共が一番興味の有った題目は昨年4月に起きた旅客船KAZU1(総トン数19t 最大旅客定員65名 全長16.67m 巾4.15m)の浸水事故経過報告と沈没に至るメカニズムでした。
資料によるとKAZU1船が浸水が始まり船底に半分程度浸水しても船の浮力は72トンとか・・、最初の船前方からの浸水でトリム角-4.50deg と船先がチョット前のめり程度、その時の浸水量は推定値で11,200ℓと推定、この程度ではキャビン内の操縦席や客室足元に浸水は勿論ですがキャンビン内の船長・乗船者共、既に船底に浸水が始まっている事に気が付いてなかったのではと説明が有りました。
波高さも1~2メートル程度で船先が上がり下がりを繰り返している状態でもあり、船先区域が海水で満水になった状態でもトリム角-5.40deg、浸水量36,400ℓ程度と予測しても船舶の重量より浮力が上回り十分沈没は避けられたものと資料記載がありました。



浸水理由は船先デッキ上の開口部ハッチ(50㎝角)蓋が脱落(以前より止め金具故障)して一気に開口部より浸水を始め徐々に船先が前のめり、船先が水面と並行になり何かしら破損部品ハッチなど窓ガラスを強打破壊、波風も一段と強くなり前部からの浸水が急激に始まり一瞬で船の浮力を超えた水量がなだれ込み水没に至る、このような説明でした。
おそらくですが先の浸水から客室に水が大量に入り始めてから水没までは15分も無かったと思われます。携帯電話連絡記録や僚船無線連絡情報等などからもそのように予想されます。
事故当時の海水温は4°程度。0°~5°Cの場合ですと人が水中で意識不明なるまでの時間は15~30分程度と言われております。体力差にもよりますが生存可能な時間は30分~90分とか。

それぞれの船舶の基準航行は大きさなどで当然数値に違いが有りますがKAZU1船の運航基準は、風速8m/s以上・波高さ0.5メートル以上・視程300m以下で欠航だったようですが事故遭遇同時間は平均風速、海上で平均15m/s・波高さ3.0mと推定されております。
出航時の天気や湾内、海上状況、これから先の天気予報からしても無理な出航だった様に思えます。強風注意報や波浪注意報がウトロ漁港出航前の午前3時~10時にはそれぞれ発表されていたようです。

当社の運航船の場合、マリーナ出航から海洋祭事を終了してマリーナ帰港する所要時間はその時の海洋状況で若干の違いはありますがおおむね90分程度、浜辺から5~10㎞地点で行い携帯電話は勿論普通に繋がりますが北海道の海難事故を受けて船舶無線の設置も完了致しました。いかなる前準備を致しても事故は付き物と乗船計画数日前から徹底した機関点検、外装設備点検は行っております。昨年暮れ頃ですが国土交通省東北運輸局より当社所有船の外見写真、フロントハッチの写真(開閉時)、周辺パッキン等それぞれの詳細写真を提出するよう要請がありそれに従い提出したばかりです。

日本小型船舶検査機構(JCI)の実務内容にも問題があったようにTVニュースなどで放送されておりましたが、先の事故を受けて以前は10分ほどで終了していた検査も今後は担当職員を増員して検査に数倍の時間を要し、隅々まで確認作業が及ぶものと想像できます。

今現在、当社には4月から3件の海洋散骨計画があります。
毎年の事ですが間もなく当社保有船の船舶点検作業が実施予定となってます。一旦上架(陸揚げ)して船底から機関、エンジンオイル交換や消耗品の交換、バッテリー交換など一日掛かりの作業です。点検後の外観の磨き上げなど楽しみな作業の一つとなっております。

雪解けとともに庄内の海でも海洋散骨シーズンとなります。
埋葬前のご遺骨をお持ちの方、海洋散骨を検討されている方など是非一度ご相談お願い致します。

山形の海での海洋葬は・・・こちら

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入澤和志郎
専門家

入澤和志郎(葬儀)

有限会社 風車

・故人、ご遺族の状況や希望などに誠実に向き合い、最善を尽くした遺品整理を行います。ご遺品を供養しながら焼却する「お焚き上げ」や買い取りも可能です。故人とご遺族が安心できる整理を心掛けています。

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