「課税の公平性」を考える
いよいよ来月1日から、消費税のインボイス制度が始まります。しばらくは現場での混乱が続きそうです。
日税連ではインボイス制度の導入に長らく反対してきましたが、法律が成立した以上、従うほかありません。しかしながら、税金の基本は「簡易・公平」であるべきでしょう。正直なところ、数ある税金の種類のうち、「消費税」は難しい税金の一つだと思います。
その難しさに輪をかけるのが今回のインボイス制度。
もともとは、4年前の複数税率制の導入で消費税率が10%のものと8%のものに分かれたのがインボイス制度導入のきっかけだと言われています。現在、消費税率の複数税率を改め、単一税率にすべきだという意見がわれわれ税理士の中では多数意見になっています。正直なところ、複数税率での会計処理は手数がかかりすぎて、計算間違いのもとなのです。
単一税率では、税額計算はもう少し簡単にできます。専門家が難しいと思うということは、会社の経理担当者や個人事業主さんにはもっと難しく感じることだろうと思います。
この複数税率ですが、8%のほうは「軽減税率」と呼ばれています。言葉のマジックですね・・・。もともと8%だった消費税が、食料品など一部のものだけそのままの税率で据え置かれたわけですから、正確には「据置税率」よ呼ぶべきでしょう。
コロナの3年間で、政府や自治体も出費がかさみました。アベノマスクなんかは無駄の象徴たるものでしたが、かさんだ出費はいずれ増税で取り返さなくてはなりません。せめてその際には税率を単一にしていただきたいものです。
10%のあとは15%でしょうかね?
少なくとも次の総選挙までは10%のままでしょう。