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セミナー 当事者と共に「ひきこもり」 を考える (7月11日)のご報告

村田晃

村田晃

テーマ:メンタルヘルス(心の健康)

◎セミナー「当事者と共に学ぶこころの病気」の第3回 −「ひきこもり」を考える− を、7月11日(土) に
富山市の県民共生センターサンフォルテで開催しました。 
これは、NPO法人ここらいふの今年度のセミナーシリーズの一環です。

参加者は20人で、「ひきこもり」の当事者及び家族が半数を占め、他に心理カウンセラー、富山市
市会議員など多岐にわたりました。

私の方から最初に、「ひきこもり」について以下のように紹介しました。  

1.「ひきこもり」の定義・範囲は必ずしも一定していない。 また、医学的な診断名ではない。
  [国際的な二つの精神疾患診断基準:ICD-10(WHOの診断基準)とDSM-5(米国精神医学会
   の診断 基準) のいずれにも診断名としてない]

〇厚生労働省による定義:「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(平成19年)より

様々な要因の結果として、社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職員を含む就労、家庭外
での交遊)を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者
と交わらない形での外出をしていてもよい)を示す現象概念。  ※非精神症性の現象とする。

注: 上記のように厚労省の定義では「ひきこもり」を「非精神症性の現象」に限定しているが、実際
には「ひきこもり」者の中に、精神疾患(統合失調症など)を持っている者がかなり含まれてる可能性
は専門家の間で指摘されており、厚労省自体もそれを認めている。

〇推計数
内閣府関係調査
広義のひきこもり状態にある者69.6万人、狭義のひきこもり状態にある者23.6万人
平成22年「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」による(対象:15歳以上39歳以下)

ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する(準ひきこもり)   46.0万人
ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける(狭義のひきこもり)        15.3万人
自室からは出るが、家からは出ない(狭義のひきこもり)                      3.5万人
自室からほとんど出ない(狭義のひきこもり)                             4.7万人
       合計                                             69.6万人

注: ただし調査対象に15歳未満や40歳以上が含まれていないから、「ひきこもり」者全体はもっと
多いはず

2.「ひきこもり」に関する最近の研究の動向
「ひきこもり」は従来日本特有の現象と考えられていたが、最近世界各国で同様の研究事例が報告
されており、日本文化に固有の現象ではないその一般性が議論されている。
例: 米国・スペイン・インド・中国・韓国

3.「ひきこもり」への対処方法
・「ひきこもり」行動の背景にある原因を考える → 精神疾患があるかどうかまず確認する。
・ 当事者の家族のメンタルヘルスを重視する → 家族療法にもつながる
・ 社会資源を活用する (自助グループ・家族会・ひきこもり地域支援センターなど)

特に、「ひきこもり」の当事者及び家族の人は、「ひきこもり」に特化した相談窓口である
「富山県ひきこもり地域支援センター」(県の相談施設)電 076-428-0616 をまず利用
することをすすめる。(「富山県ひきこもり地域支援センター」の詳細は以下にアクセス)
http://www.pref.toyama.jp/branches/1281/toyama-hikikomori/
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その後、大部分の時間を参加者での話し合いにあてました。
「ひきこもり」の当事者からは、今も外に出ることに困難を感じている状況の話がありました。
(例えば、このセミナーに来るのも最後までちゅうちょし、支援者の後押しで何とか参加できた、
など)

また、当事者の家族からは、自分の子どもの気持ちを理解できないもどかしさを長年経験して
いたが、ある時率直に自分の気持ちを子どもに語ったことから、徐々に相互の理解がすすむよう
になった、との体験の紹介がありました。

私の方からは、当事者及び家族の人は自分たちだけで悩まず、支援センターや家族会などの
社会資源を積極的に利用することをすすめました。

また、社会的な取組みとしては、「ひきこもり」の人も受け入れるような教育プログラム
(例えばフリースクール)など柔軟な仕組みを作っていくことが必要ではないか、と提言しました。

なお、セミナー参加者へのアンケート結果では、「当事者の生の声を多く聞けて良かった」など
好評でした。
(アンケート結果の詳細については、以下のリンクをクリックすると、Adobeでファイルが見れます。
セミナー参加者のアンケート結果の公表については、主催者のNPO法人ここらいふの承諾を
得ています。)
https://files.acrobat.com/a/preview/02943143-ce7b-4d08-9479-64d56b9e3ef1
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この「当事者と共に学ぶこころの病気」セミナーは以下のように後2回あり、次回は8月8日
(土)に「不安障害」について考えます。

8月 8 日(土) 午前10時~12時 「不安障害」を考える
9月12日(土) 午前10時~12時 「統合失調症」を考える

それぞれ各回一回限りの参加もできますので、興味のあるものにご参加ください。

○会場:県民共生センターサンフォルテ(富山市港入船町6-7・JR富山駅北口10分)

○受講料:各回1,620円(税込)。 なお、「精神障がい者手帳」所持や「精神障がい年金」
受給の方は、今回受講料は無料となります。これはNPO法人ここらいふの理念の一環
です。 ご利用ください。

○申し込み方法:講師 村田 晃まで、直接電話またはEメールで申し込んでください。
(毎回開催前日まで受付け なお、部屋の定員の関係上、先着20人までとなります)
・電話: 076-471-6860(うつ心理相談センター)
・Eメール: utusodan@yahoo.co.jp

このセミナーについてのご質問も遠慮なく上記にどうぞ。

村田 晃 心理学博士(PhD University of Denver USA) ・臨床心理士
       うつ心理相談センター所長 
〒930-0884 富山市五福末広町1199 津林ビルA202

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村田晃
専門家

村田晃(心理カウンセラー)

うつ心理相談センター

法務省心理技官として25年勤務後、米国の2大学院に15年留学、カウンセリング心理学修士号及び博士号取得。 留学中にうつ病になり精神科病院にも入院。その体験からうつへの関心を強め、以後うつを多面的に研究

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