「心を見つめるカウンセリング心理学」講座開講のご案内(たかおか学遊塾)
心の健康についての最新のニュースを、英語で発信されているインターネットの情報を駆使
してお届けする連載の第五弾です。
今回は、「直感的な判断の正確さについて」です。
この研究結果は、Scienceに発表されたものの要約です。
○米国フロリダ州立大学の研究者は、135組の新婚夫婦を4年間追跡調査した結果、「新婚
夫婦は、はっきりと意識はしていなくても、自らの結婚がうまくいくかどうかを初めから直感的
に知っている」ことを見出しました。
つまり、結婚相手に対する結婚当初の直感的な判断が、結婚に対する将来の満足度を予測
したのです。
一方、結婚当初に言葉で表現された態度は、結婚の将来の満足度と関係はありませんでした。
もちろん、結婚当初はおそらく誰でも結婚生活がうまくいくことを願うでしょう。
したがって、言葉など意識レベルでは、誰でも結婚生活について希望的観測をしているで
しょう。
一方、いわば無意識レベルである直感的判断は、このような希望的観測に左右されることは
少なく、したがって結婚生活の将来をより正確に予測するというのです。
研究者達は、「もし自分の直感が何かおかしいと告げたら、それをよく調べてみるのは意味の
あること」と結論づけています。
○私の考え
私自身、常々直感は大事だと思っています。もっと言うと、下手に考えるよりは直感で判断した
方がいいと思っています。
もちろん、何かを決める時に事前によく考えることは大事です。
しかし、時間がない時や、熟慮した結果なおかつ決められない時には、その時の自分の直感に
頼るのがいいと思います。
というのは、直感というのは単なる思いつきではなくて、人間の長い進化の過程で人が経験的に
身に付けた生存のための術、と考えるからです。
例えば、大昔、外敵(猛獣など)に襲われた生きるか死ぬかのとっさの場面では、じっくり考えて
いる暇はとてもなかったでしょう。とっさに判断しないと自分がやられてしまったでしょう。
ですから、そのような非常の危機場面では人は直感的に行動したはずです。そして直感がうまく
いったら人は生き延び、直感がうまくいかなかったら死んでいたはずです。
つまり、直感がうまくいった者のみが現在生き延びているはずです。
ですから、我々が現在持っている直感というのは、成功の確率が非常に高い有用なものだと思い
ます。
皆さんはどうお考えでしょうか。
なお、出典は次です。
http://news.fsu.edu/More-FSU-News/New-FSU-study-Follow-your-gut-down-the-aisle
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この内容は、エフエムいみず(79.3MHz) の私の番組、「心に元気を!大人のメンタルヘルス」
(毎週水曜朝8時30分・木曜午後4時30分[再放送])でも今週話しています。
うつ心理相談センター
村田 晃(心理学博士[ PhD] University of Denver, USA)