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その5. うつをどう考えるか (三回目)

村田晃

村田晃

テーマ:心理相談・カウンセリング


 心理学博士の村田 晃です。

◎前回は、進化論の立場からいうと、うつは自然

が人間に与えた生存のための一方法と考えられ

る、と述べました。というのは、(1)うつは、

その人の目指す目標が非常に危険な場合に、その

行動にブレーキを掛ける役割をする。(2)うつ

は、人が強いストレスの下にある場合に、一時的

に自らを外部の社会から遮断してエネルギーを保

存する働きをする。からです。

ちなみに、進化論の生みの親であるチャールズ・

ダーウイン自身うつになり、だからこそ外部の社

会的事柄に惑わされずにあの有名な「種の起源」

の著作に集中できたと指摘する研究者がいます。

◎以上、私が強調したいのは、うつは人の生存に

つながるプラスの意味があるということです。

ですから、うつになってもそれを単に回避したり

忌み嫌うのではなく、それを直視し、自分の人生

に置ける転機・好機と捉える前向きの姿勢が必要

ではないか、ということです。

これは何も精神力があればうつを克服できると

いっているのではありません。適切な投薬等の

医療的措置や心理カウンセリングの重要性は

もちろんです。

私が言っているのは、「せっかく」うつになった

のだったら、うつを単に否定的に捉えるのではな

く、肯定的に捉えた方が意味があるのではないか

ということです。

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村田晃
専門家

村田晃(心理カウンセラー)

うつ心理相談センター

法務省心理技官として25年勤務後、米国の2大学院に15年留学、カウンセリング心理学修士号及び博士号取得。 留学中にうつ病になり精神科病院にも入院。その体験からうつへの関心を強め、以後うつを多面的に研究

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