メディカルイノベーション
モダリティ共同利用とは、医療機関が高額な医療機器(CT、MRI、PETなど)を複数施設で共同運用し、設備稼働率の向上とコスト削減を図る仕組みである。特に地方病院や中小規模医療機関では、単独で高性能モダリティを維持する負担が大きいため、地域連携型の共同利用が進んでいる。運用形態としては、設置病院が機器を保有し、他施設が読影・検査枠を予約して利用する方式が一般的である。売上配分は、機器保有側が「設備使用料」として一定割合(例:検査料の30~50%)を受け取り、利用側は残額から技師人件費や読影料を負担するモデルが多い。また、MS法人を介してモダリティを管理し、複数医療法人間で公平な収益配分を行うスキームもみられる。配分設計にあたっては、初期投資額・維持費・稼働時間・リスク負担の割合を明確化することが重要であり、契約書上で利用単価や精算方法を定義しておくことで、長期的かつ透明な共同運営が実現する。



