AI画像診断について
医療データの利活用は、製薬産業や臨床研究の在り方を大きく変えつつあります。電子カルテ、健診データ、レセプト情報といったリアルワールドデータ(RWD)は、臨床試験だけでは捉えきれない日常診療下での治療効果や副作用の把握に有用です。製薬企業はこれらのデータを活用することで、新薬開発の効率化や適応拡大の検討、治療指針の改訂に貢献できます。また、アカデミアや研究機関との連携により、大規模なデータベースを用いた臨床研究が加速し、個別化医療や予測医療の実現に近づいています。一方で、個人情報保護法改正に対応した匿名加工情報や仮名加工情報の取り扱い、データの標準化、利活用ルールの透明性確保が不可欠です。患者にとっては、自らの診療情報が社会的に価値ある研究へ還元されることで、将来的により質の高い医療を受けることにつながります。医療データをめぐる製薬・研究連携は、医療の質向上と産業競争力強化の両立を支える基盤といえます。



