「金の斧」と「鉄の斧」、あなたはどっち?
よく「石の上にも三年」と言いますが、大きな組織の改善や社員教育において成果を出すには、ある程度の期間が必要です。
実施する前に方針や内容をじっくりと吟味したのであれば、初めのうちは芳しい成果が上がらなくても、何事においても腰を据えて5年以上の期間を目処に取り組みましょう。
研修で具体的な成果が出る背景
ある上場企業で、5年連続で「論理的な情報整理~的確な文書作成」の研修講師を拝命していますが、昨日からの受講生の様子を見て明らかにレベルが上がっているのを感じます。
私はすべてのテーマにおいて、研修開始時にいきなり演習を始めます。『いきなり3分間スピーチ』、『いきなりA4版1枚の報告書』、『いきなりマーケティングの4P』など、それらを行うことで受講生のレベルや企業の体制を把握することができます。
今回の文書作成研修では、最初の段階から皆さんが論理的な切り口で、分かりやすく説得力のある記述をされるので、この5年間の成果が確実に現れているのを見て心から嬉しくなりました。
文化の形成~企業体質の向上
受講生に話を聞くと、やはり以前に当研修を受講した上司や先輩から教えられたり、真似をしたりして、自然と論理的な文書が書けるようになっているようです。すなわち、研修が一時的な学習ではなく、実践レベルで体得でき、職場で発現できているのです。
とりたてて意識しなくても、文書を書く際、自然と論理的に情報整理し、分かりやすい構成で書いていく・・・ここまでくると、これは5年間で積み重ねられた当社の『文化』と表現して差し支えないでしょう。
また、当研修は単なる“書き方教室”ではなく、「論理的な情報整理」がベースになっているため、営業戦略や企画開発、組織運営など様々な分野で使えるオールマイティーなノウハウが満載なのです。
当社はここのところ業績好調なのですが、その要因の一端に当研修の成果があるのではないかと、個人的には自負しています。
スピードも大切、熟成はもっと大切
現代の経営環境は、とかくスピードが求められ重視されます。もちろん、一年単位での決算が必要なのでスピードも大切ですが、上記のように時間をかけて積み重ね、『文化』として熟成させる姿勢は、企業を存続・発展させる上でさらに重要なことなのです。
特に「社員教育」の現場は、早く成果を出させることも必要ですが、同時に長期的なビジョンでの取り組みが求められます。
教育・研修業務を担当される方々は、教育のテーマや外注する研修会社、講師を頻繁に変えるのではなく、最初にじっくりと吟味・選定したら、最低でも5年は継続して取り組まれることをお勧めします。必ず、成果は『文化の熟成』という形で現れます。
※関連リンク
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