搬入規制が増えている中古車オークション市場。今、何が起きているのか

吉田秀次

吉田秀次

テーマ:自動車業界

最近、中古車オークション会場で「搬入規制」が増えています。
簡単に言うと、
「出品台数が多すぎて、会場側が制限をかけ始めている」
という状態です。一見すると、
「クルマが余り始めた?」
「相場下落の前兆?」にも見えます。

実際、現場でも「高いうちに売りたい」という空気感は感じます。
ただ、今の相場はそこまで単純ではありません。

成約率・成約単価はむしろ上昇している


ゴールデンウィーク明け以降、成約率、成約単価、ともに上昇傾向。
つまり、「出品は多い」でも、「ちゃんと売れてもいる」という状態です。
これはかなり特徴的。普通、供給が増えれば価格は下がりやすい。

でも今は、買い手もまだ強い。
背景には、「円安傾向」「輸出需要」「新車不足」「海外需要の回復」などがあります。
特に、世界情勢が多少落ち着いてきたことで、「買い控え」から「そろそろ買うか」
に空気が変わり始めている印象があります。

ただし、何でも売れる時代ではなくなってきた


ここが重要です。最近、シンナー・オイル・アドブルーなど、
車両維持・整備に必要な材料不足も起きています。
つまり今後は、「安ければ売れる」ではなく、

整備しやすい
状態がいい
リスクが少ない
車に需要が集中しやすくなる。つまり、
「選別」が始まっているということです。

落札台数ランキングにも「今の現実」が出ている
今回の落札台数ベスト10を見ると、

プリウス
アクア
セレナ
ヴォクシー
ノート
フィット
アルファード
ハイエースバン
ヴィッツ
N-BOXカスタム
という並び。かなり分かりやすい。

共通点は「実用性」

これらの車種に共通するのは、

燃費
積載性
維持しやすさ
海外需要
商用需要
ファミリー需要
つまり、「ちゃんと使われる車」です。

ハイエース・アルファードは「輸出+国内」

特に、アルファードやハイエースは、国内人気だけでは説明できません。
輸出需要も強い。だから相場が崩れにくい。

プリウス・アクアは「生活防衛」

一方で、
プリウス
アクア
ノート
などは、ガソリン代高騰や維持費上昇の影響も大きい。

つまり、「好きな車」というより、「生活コストを抑える選択」
として選ばれている部分もある。

中古車市場は、今の日本そのもの

中古車相場を見ていると、
今の日本経済そのものが見えてきます。

円安
物価高
維持費上昇
実用性重視
海外需要依存
車は単なる移動手段ではなく、「経済環境を映す鏡」なのです。

まとめ

個人的には、今後さらに「状態がいい車」「輸出が強い車」「維持しやすい車」
に需要が集中していくと思っています。

逆に、「状態が悪い」「修理コスト高い」「特徴が弱い」車は、相場が厳しくなっていく可能性もある。
つまり、「全部上がる時代」から、「選ばれる車だけ強い時代」へ移行している。
そんな空気を、今のオークション会場から感じています。

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吉田秀次
専門家

吉田秀次(車買取業)

有限会社ソーシャルキャピタル

車買取店「ハッピーカーズ大田田園調布店」を運営しながら、査定現場の実情をブログで公開。後悔しない売却につながる業者選びの視点を紹介します。駆け引きに頼らない価格提示を実践し、地域で信頼を重ねています。

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