これからの時代、起業家や中小企業経営に必要となる共感マーケティングの正しい理解と実践

柴原健次

柴原健次

テーマ:パーパス・コア


選挙で学べた組織の力と個人の力

10月末に行われた衆議院選挙は、初めて任期満了後に行われた選挙で、しかも解散から投開票まで17日という最短記録の短さでした。これは丸々4年間というこれまで最長の期間を、これまでの中で一番短い時間で評価せよということだったわけです。

結果は、与党も野党も大物前議員が落選したり、野党連合に参加しなかった党が躍進したりと、組織と個人の両方のパワーが試されたように思います。
小選挙区制になって大きな組織が有利と言われていますが、組織が大きいと勝てるというわけでもなく、いくら組織が大きくてもやはり個々人が評価される。でも、個人の力だけだとパワフルではない。

企業という組織と、社員である個人が両方パワフルであり、その両方がお客様から評価される、という意味では、事業活動においても似ているように思います。

共感とそのポイント

何を基準に評価したかは、人それぞれ違うと思いますが、少なくとも、「共感性」は大きなポイントであったように思います。

何に共感するかというと、本来は政策なはずですが、今回は、野党は共闘だったり、与党は総裁が変わったばかりで、これまでの選挙では重要視されていたマニフェストが、ほとんどフォーカスされませんでした。つまり、「これから」よりも、「これまで」の実績で評価したのかなと思います。

これまでにこれからに期待をしたものの、結果、裏切られたという経験がある人は、言っていることよりも、より「これまで」を評価することになっていると思います。

特に、言っていることがコロコロ変わったり、人気のためにうわべだけのことを言っているように思える人には、なかなか共感されません。

やはり、言行一致していたり、信念があって筋が通っている人が、共感を得られているように思います。

「プロダクトアウト」と「マーケットイン」

これを事業活動で考えてみますと、
「プロダクトアウト」と「マーケットイン」というマーケティング用語があります。簡単に言うと、いいものを作って売るという方法と、売れるものを作るという方法ですね。前者は、例えば技術を活かして最高のクオリティや品質のものを提供する、後者は、市場調査をして顧客が欲しがっているものを提供するという考え方です。
昭和の時代、日本の産業が成長したのは、家電製品に象徴されるように、質実剛健を目指したハイクオリティなものが望まれ、好まれ、売れた、プロダクトアウトの世界でした。時代が平成に入ると、モノがあふれ、低価格化も進み、いくらいいものを作っても売れない。口コミなどもあふれ、購買動向がわかるツールも増え、売れるもの探しが始まりました。マーケットインの時代です。
今の令和時代、やはり時代が変わってきたように思います。顧客に寄り添うのはよいけど、軸がなく、御用聞きだけでは成長や継続性は望めません。また、プロダクトアウトの時代が戻ってきたという人もいますが、それは、欧米の二極化思考の学者などの見解に踊らされているようにも思います。

これからの時代の共感マーケティング

プロダクトアウトではない、マーケットインでもない、それらをミックスしたような、新しい第三の考え方の時代になってきたのだと思います。
ただ、単に3つ目というのではなく、視点というか軸が違うような感覚で、より本質に向かう方向にように思います。
その本質の一つが「共感」です。

結局のところ、プロダクトアウトも、いい製品を作ってそれに共感してもらって成功した。マーケットインも、それが欲しかったと共感してもらって売れた、ということなんだろうと思います。

そこで最近では、「共感マーケティング」なる言葉もでてきました。
しかしそれも、ちょっと誤解をしている人も多いのではないかと思います。「マーケティング」自体が多義語なので、いろんな解釈や定義があって、何が正しくて何が間違いだと言えるものではないので、人それぞれ自分の定義があってもよいと思います。しかし、話を聞く側が、一意だと思って偏った理解をすると危険ではないかと思うわけです。

ポイントは、モノやサービスを作る段階の話か、売る段階の話かということです。
「共感されるものを作ろうとする」のか、「共感してもらえるよう売り方を工夫するのか」ということです。
前者は、結局マーケットインと同じことになります。後者は、これからますます必要なってくるでしょう。この後者のことを共感マーケティングと呼んでいるとしたら、それはとても大事な要素です。

パーパス・コアありきの共感マーケティング

では、商品・サービスはというと、ここで本質が問われるということだと思います。
自分や自分たちの特異性を活かし、誰に何を提供したいのか。どのような世界を創りたいのか。そして何を目的に、なぜそれらを提供するのか。まさにパーパスをコアにすることが求められる時代になってきました。

それらをしっかり見すえ、ブレずに心も気持ちも込めて提供する。そして、それらに本来共感してもらえる人たちに、しっかり伝達し、説明する。それを共感マーケティングというなら、売れるために必要なことです。

つまり、パーパス・コアありきの共感マーケティングこそが、これからの時代の商品・サービスの売れる方法なのだと確信しています。

長くなりましたが、まさにこの内容に共感いただけたかどうかが問われるところになりますが、そこはまだまだ未熟ですので、十分にお伝えできていないと思います。
ただ、何を目的に、何のために、誰に何を提供したいのか、パーパスは強固にブレずに明確にもっています。

衆議院選挙においても、政策のコアをもつ候補者でも、短い期間でそれをどう伝えるか、皆苦労されていました。でも、やはりしっかりブレないコアをもつ人が共感され、当選されたように思います。

経営者やこれから起業しようとする人、将来やっていきたい仕事を探している人は、売れるもの探しをするのではなく、まずは経験や実績をともなったパーパスを明確にすることが、結局、近道になることを多くの人の体感いただきたい。そう願っています。

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柴原健次
専門家

柴原健次(クリエイティブプロデューサー)

合同会社ヘルシーブレイン

経営者から個人まで「思い通りに自分らしく社会に貢献する」ことを目指し、脳科学、心理学、量子力学、AIを活用して、心豊かな日々へのマインドチェンジ(思考転換、思考習慣改革)をサポートしています。

柴原健次プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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