相続した空き家を放置したときの様々なリスクについて
今年のコラムでは国土交通省の公示地価や国税庁の路線価のように土地の売買や相続の際に
基準となる評価方法等についてご紹介してきましたが、今回のコラムは非課税で見落としがち
な私道の相続について考えてみましょう。
不動産を相続した後々のトラブルになるケースとして私道の相続登記が漏れていることがあり
ます。
私道の相続登記が漏れてしまうのは、被相続人(亡くなった方)が私道を含む土地を所有し
ていた場合に相続人間の遺産分割協議において市区町村から送られてくる固定資産税の課税明
細書のみを確認しただけで相続を進めてしまうケースが多々あると想定されます。
そもそも私道の固定資産税と都市計画税は非課税になっているため課税明細書には記載され
ないことから私道の地番や地積を確認するには市区町村の役所から名寄帳を取り寄せて確認す
ることが必要となります。
名寄帳には非課税となっている私道の地番や地積も記載されていることから私道を含む不動
産の確認漏れを防ぐことができるのです。
私道の相続登記が漏れていると再び相続人間の遺産分割協議で相続人を確定しなければなり
ませんので、相当な時間や労力を費やすことになることや私道の相続登記がされない状態が何
世代も続くとその間に相続人の数が増えることにより疎遠になっている親族から遺産分割協議
書にハンコをもらうのは容易なことではありません。
私道持分の相続登記漏れがあっても課税対象ではないから大事にはならないと思うかもしれ
ませんが、相続登記を怠れば被相続人名義の私道持分のままでは相続人が売買することができ
ないという問題に直面することにもなりますので相続登記は速やかにすることです。
2024年4月から不動産登記法の改正があり相続登記の義務化により相続を知ってから3年以
内に相続登記を完了しないと過料が科される可能性もありますが、この私道の相続登記も対象
となりますので注意が必要です。
また、私道の相続登記漏れのように後に遺産の存在が発覚した場合のリスクを回避する方法
として「上記以外の財産については〇〇〇〇が相続する」というような帰属先を遺産分割協議
書に明記しておくと再度の遺産分割協議を回避することができますので今後の相続を控えてい
る方は是非覚えておくと良いでしょう。
簡単ですが、私道が含まれている相続では以下のチェックリストが参考になるかと思います
ので、活用してみてはいかがでしょうか。
□登記事項証明書で私道の地番を確認したか
□私道の持分割合を確認したか
□他の共有者は誰かを確認したか
□通行や掘削承諾書があるか
□建築基準法上の道路種別を確認したか
□固定資産税課税の有無を確認したか
□相続登記の対象に私道持分を含めたか
最後に東京都主税局からの「道路に対する非課税のご案内」で道路法にいう道路の通り抜け
私道や行き止まり私道等の要件を図式で解説していますので,ご興味ある方は下記のウェブサ
イトよりご覧ください。
なお、東京以外の他府県にお住まいの方は自治体によって固定資産税の評価方法が異なる場合
がありますので、詳細を知りたい場合には市区町村の課税課までお問い合わせください。
道路に対する非課税のご案内


