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並木将央

成熟社会へのビジネスシフトをサポートするコンサルタント

並木将央(なみきまさお) / 経営コンサルタント

株式会社ロードフロンティア

コラム

成熟社会において、稼ぐために必要な素質3選

2024年4月19日

コラムカテゴリ:ビジネス

みなさんもご存知のように、資本主義では、技術やサービスなどを持っている人から持っていない人に渡すことがポイントとなります。すなわち、先見の目を持って、まだ、誰も持っていない物や事を見つけ、世の中に生み出すことができれば、ビジネスを始めることができます。
今回は成熟社会で稼ぐために、特に必要な素質である「世の中の流れを読む」「新しいことに対して抵抗感がない」「仲間を作る」の3つに絞ってお伝えします。

1.世の中の流れを読む

世の中の流れが読めると下記2つの点において、特に力を発揮することができます。

1-1.競争優位の獲得

市場が常に変化し、新たな需要や傾向が生まれる中で、その先を読み、先回りして行動することは成功につながります。デジタルテクノロジーに対する関心が高まる中で、いち早く関連する商品やサービスに注力する企業がビジネスチャンスを掴みます。例えば、米国のOpenAI社がAI技術を使って、いち早くChatGPTを生み出し、革新的なサービスとして全世界から注目を集めています。まさに、OpenAI社は、世の中の流れを読み、変化に適応したことで新たな市場を生み出し、成長を遂げることができたのです。

法律や規制の変化、地域や国際的な出来事、社会の変動などは、人々の活動に大きな影響を与えます。そのため、先んじて、これらの要因を読み解き、将来の展望を予測することが重要です。

直近では、「2025年問題」をどう捉えていますか。2025年には、国民の約3人に1人が65歳以上、約5人に1人が75歳の超高齢化社会を迎えます。今後、大量の後期高齢者を支えるために、社会保障、主に医療・介護、年金などが限界に達し、社会全体に負の影響がもたらされると考えられています。それらの問題に配慮したビジネスモデルを採用することで、将来のリスクを軽減し、競争上の優位性を築くことができます。


1-2.リーダーシップとキャリア形成

世の中の流れを読むことは、組織内において、意思決定やリーダーシップに重要です。リーダーは、外部環境や社会の変化に対応しながら、組織を成功に導く役割を果たします。そのため、外部の流れをいち早く読み解き、組織の戦略を立て、メンバーを導く能力が求められます。言わずもがな、スティーブ・ジョブズ氏は、一度失脚した後に、経営不振に陥ったアップル社を立て直しました。復帰後のジョブズ氏は、世の中の流れを読み、他社と競合するような機能で戦うことはせず、アップル社だけが持つ機能で世界に勝負し、iPod、iPhoneと次々に開発し、大成功を収めました。

個人の生活においても、世の中の流れを読むことは重要です。個人が自己成長やキャリアにおいて成功するためには、市場や社会の変化を理解し、それに適応する力が求められます。個人が自分の将来を考えるうえで、社会の動向や市場の需要を踏まえた計画を立てられ、より現実的かつ実現可能な目標を設定することができます。



2.新しいことに対して抵抗感がない

新しいことに対して抵抗感がないと下記2つの点において、特に力を発揮することができます。

2-1.新たなビジネスモデルの創出

市場や社会は常に変化しており、そうした変化に敏感であり、変化に適応することができる人や組織が成功を収めます。前述のとおり、先んじて新たな需要やトレンドを見極め、それに適応したビジネスモデルを展開することができるのは、新しいことに対して抵抗感がない人や組織です。例えば、高輪ゲートウェイ駅のAI無人決済コンビニ「TOUCH TO GO(タッチトゥゴー)」です。それまで、無人のコンビニなんて、考えられませんでしたが、店内カメラとAIを使って、誰が何を買ったのかを判断できるようにし、スキャンすることなく、決済を可能にしました。このように、新しいことに対して抵抗感がないと、新たなビジネスチャンスや機会を見逃さずに新たなビジネスモデルを創出することができます。

2-2.自己成長とダイバーシティの受容

変化する職業や産業に対応し、新たなスキルや知識を習得するためには、積極的な姿勢が求められます。20世紀を代表する偉人、ライト兄弟は自転車製造販売業を営んでいましたが、グライダーの墜落事故から航空に興味を持ち、その後、世界初の有人動力飛行を成功させるという偉業を成し遂げました。さすがに、ライト兄弟ほどの異業種への挑戦は容易くありませんが、昨今話題の学び直し“リスキリング”に挑むのはいかがでしょうか。

リスキリングは、経済産業省が推奨しています。新しい業務に従事したり、環境が大きく変化したりした際に、新しい状況に適応するために必要な知識やスキルを学びます。これからの自己成長やキャリアパスを考える場合にも、新たな可能性に挑戦していくことが必要です。また、新しいことに対して抵抗感がないことは、社会との関係や対話においても有効です。異なる意見や文化に対してオープンな姿勢を持ち、それを受け入れることが、多様性を尊重し、社会全体の発展につながります。

よって、新しいことに対して抵抗感がないということは、急速に変化する環境や技術革新、多様性に柔軟に対応するために不可欠な要素です。この素質を持つことにより、従来のやり方に固執せず、新しい技術や手法が開発導入されていくのです。



3.仲間を作る

仲間を作ることができると、下記2つの点において、特に力を発揮することができます。

3-1.エンゲージメントの向上

 
共助や共感を通じて信頼関係を築いたメンバーは、組織全体の成長に不可欠です。社員のエンゲージメントが向上すると、会社へ貢献したいという意欲が強くなり、結果として生産性向上へとつながります。建機大手の小松製作所では、従業員に近いマネージャーなど中間管理職の能力を強化しました。部下から信頼を得る方法や部下のモチベーション向上の方法などに関する、研修とワークショップを受講させることにより、従業員の意識改革をすることができました。その結果、従業員エンゲージメントが33%から70%に向上し、わずか半年で工場の生産性が9.4%も向上したという結果を出しています。

3-2. チームビルディングを実現 

ひとりでは成し遂げることが難しいことでも、仲間やチームであれば成功することができます。刺激し合い、支えあってプロジェクトを達成させたり、新しいアイデアや解決策を出し合って、ビジネスモデルを創出したりすることができます。会社や組織において、上下関係に関係なく、個々の能力を認め合い、チームビルディングができると、全体のパフォーマンス向上につながります。今では、沢山の企業が体験型イベントやゲーム、ウォーキング・ミーティングなどを導入し、チームビルディングに注力しています。普段は交流のない社員と接し、関係性を深め、仲間を作ることで業務においても活発にコミュニケーションできるようになります。

仲間を作る能力は、組織の成長と成功に不可欠な要素です。共助、共感、共同作業を通じて、仲間意識が強くなることで個人のソーシャルウェルビーイングが向上します。すなわち、仲間が作れることは、現代社会においては強い武器となります。



まとめ

今回の記事では、成熟社会で稼ぐために、特に必要な素質をお伝えいたしました。どの素質も成熟社会では欠かせません。今、みなさんが抱えている問題もこの3つの素質にフォーカスすると解決することができるかもしれません。成熟社会では、これまでのやり方に凝り固まらず、世の中の流れを読み、新しいテクノロジーを駆使し、仲間と一緒に、新しいビジネスモデルが生み出していきましょう。

この記事を書いたプロ

並木将央

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並木将央(株式会社ロードフロンティア)

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