通信サービスの選択で悩む人に第三者目線でアドバイス（2/3）

顧客にとって本当に必要なものを薦めるべくコンサルタントの道へ

　小川さんは、2012年から派遣社員としてデパートや家電量販店、専売店に赴き、大手キャリアのスマートフォンをはじめ、格安SIM携帯や光回線の販売業務に従事。「仕事自体は楽しかったのですが、日々歯がゆさも感じていました」と当時を振り返ります。

　「例えば、A社の回線をご希望の方がいたとします。ご本人を含め、家族全員B社の携帯電話を使っているなら『B社と契約した方がよい』とお伝えすべきです。しかし、A社のショップで働いていたらその話はできません。すべてのキャリアを扱う量販店でも、お店によって推したい商材があり、お客さまの要望に関わらずそれをご案内することを求められました。お客さまに必要ないものを売るよう指示を受けたこともあります」

　中立の立場から一人一人に適したアドバイスをしたいと考えた小川さんは、2015年にコンサルタントとして独立。各種通信サービスの使用感などを紹介するWebサイト「XERA（セラ）」を立ち上げますが、道のりは平たんではなかったと言います。
　「最初の2～3年は赤字で、本当に苦しかったです。全然サイトを見てもらえませんでしたし、知名度がないため取材を申し込んでも断られていました」

　苦戦を強いられましたが、地道に活動することで徐々に依頼も増加。小川さんの真摯な対応に満足した人から、新規の相談者へとつなげてもらえるようになりました。
　「併せてウェブサイトの訪問者数も伸びていきました。『XERA』は、月間60万人が訪れたこともあります」

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