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上下関係が厳しい保育園の仕事 怖い先輩保育士とどう向き合う?

鈴木恵美

鈴木恵美

テーマ:保育士さん・看護師さんの悩み

上下関係が厳しく、女性ばかりの保育の現場では怖い先輩の一人や二人はいます。
もしも関係が悪化している場合でも、こちらから積極的に関わり、仕事である保育に対する考え方や姿勢を知ってもらうことで関係を改善することができます。
まずは、負担が少なく出来そうなあいさつや情報の共有などのコミュケーションを密にすることから、関係を改善する糸口を探してみましょう。

ベテラン保育士とうまくいかない? 保育園での上下関係

保育園では共に働く保育士の年齢層はバラバラです。
本来ならば、ベテラン保育士は若い人の意見を積極的に取り入れて、多角的な視点から開かれた保育を行うことが出来れば、子どもたちの成長のためにもなるのですが、残念ながら年齢の違いやキャリアの違いから交流が上手くいかないことも少なくありません。

世代を超えて協力しあい、風通しを良くすることで先輩も後輩もお互いに保育へのモチベーションを高めることが理想的です。
ところが、保育の現場では精神的・肉体的な負担が大きいため疲労感やストレスも溜まりやすくまた、保育士同士は距離が近いために、衝突が起こりやすい環境であるとも言えるのです。
業務である保育に関することで意見の相違があるのであれば納得もできますが、困るのは、単なる性格の相違や好みで無視されたり嫌がらせされたりすることです。

保育園はまだまだ女性が多い職場です。
女性はコミュニケーション能力が高い反面、好き嫌いで物事を判断しやすい傾向があります。
経験がものを言う職種であるが故に、どうしても勤続年数が長い先輩の発言力が大きくなります。
発言しにくいと感じる職場の雰囲気や、発言力のバランスの悪さが、上下関係が厳しいと感じる要因の一つだと考えられます。

「怖い先輩」の特徴を知って対応法を備える

仲良しグループでかたまっていられる学生時代とは異なり、身近に厳しい先輩がいるのは社会に出れば珍しいことではありません。
保育の現場に限らず、怖い先輩が誰一人いないという職場はまずないと言ってもいいでしょう。

しかし、なに事にも度が過ぎる人はいます。
たとえば、まだ経験の浅い新米保育士に対しても、あたりがきつく、あからさまに嫌味を言ったり、無視をしたりする年かさの保育士も少なくないと悩む声も耳にします。
このようないわゆる「怖い先輩」は、いくつかのパターンに分けられます。
相手を知ることで、対応法も変わってきますので、ご自分の先輩がどのタイプかを把握し、対処法を知っておきましょう。

【裏表がなく まっすぐなタイプ】
保育に対して高い理想をもっている生真面目な人に多いタイプです。
後輩にやる気が見られなかったり、失敗したりすると、周囲に子どもの目があることも忘れ大声で叱ります。
きつい口調で怒鳴られ、その後のフォローもないので後輩としては萎縮してしまいます。当然、その後は先輩と接するのが苦痛になります。

【感情表現が乏しく 愛想がないタイプ】
特に嫌味を言われたりすることはありませんが、あいさつしても返事がなく笑顔も見せてくれないタイプです。子どもには優しく接していても、対大人のコミュケーションは苦手な人もいます。
単なる人見知りや忙しいだけで、こちらに対する要望や関心すらないということもあります。

【高圧的で 理不尽なタイプ】
一番対応に困るのが、特定の人に対してだけ冷たくあたるタイプです。
ストレスのはけ口にされているかの様に嫌がらせをしてくるタイプ。
これといった理由もなく、そのような態度をとられているようなら注意が必要です。

ほかの保育者から見えない場所であなたを責め立ててくるようならば、指導というよりも八つ当たりです。
ハラスメントである可能性もありますので、我慢せず上の役職の人間に相談をすることも考えましょう。

怖い先輩保育士との関係を打開する方法・アドバイス

怖い先輩だからと言って、いつまでも距離を置いたままでは日常の業務に支障をきたしてしまいます。怖い先輩の存在が気になって、園児と遊んでいる時も先輩に見られているのではないかと気になり不自然に力が入ってしまいます。
そのような状況では思うような保育ができなくなってしまいますよね。

苦手と思い込んでいるから、必要以上に相手の言葉を深刻に受け止めすぎているのかもしれません。
視点を変え、後輩という立場を活かして、思い切ってこちらから相手の懐に飛び込んでいくと受け入れてもらえる場合もがあります。

保育の仕事にプライドがあるために後輩のやり方に不満を持っているタイプなら、手の打ちようがあります。
まずは、コミュケーションの基本であるあいさつから。苦手な先輩に対しても他のみんなと同じようにすること。
苦手と感じていれば、なおのこと、こちらから積極的に関わるくらいで丁度いいのかもしれません。
最初の印象が悪いほど、印象が良くなる伸びしろがある、というふうに考え方を切り替えてみると、気持ちが楽になるかもしれません。

そして、相手のことを知ろうとする積極的な態度を心掛けることも有用。また、こちらのことも知ってもらえるように働きかけてもみましょう。

自分から関わりを持って関係づくりを。改善しない場合は主任や園長に相談

園内の研修や勉強会があれば、一緒に学び、分からないことを先輩に質問するのもいいでしょう。
また、受け持っている子どもについての悩みを先輩に相談してみてください。
頼られることで悪い気がする人はいません。
保育について、真剣に取り組んでいるということが伝われば、あなたへの見方も変わるはずです。

先輩保育士が、あなたにきつくあたるのが保育についての見解の相違からくるものであれば、腹を割って話し合うことで意見の交換ができます。
話しをしたからといって、すぐに関係が改善することは無いかもしれませんが、大切なのは、それぞれの考え方や理想の違いを知り、理解して受け入れること。
そして、お互いを尊重する姿勢が大切なのです。

保育に絶対の正解はありません。
苦手と思っている先輩も、よくよく話しを聞けば共感できる部分もきっとあります。
この世界に入ったのは、子どもが好きだから。その志や思いは同じはずです。
共通の認識ができれば、先輩から一方的に非難されることはなくなるでしょう。

残念ながら、前記したように積極的に関わっても関係が改善しないこともあります。

自分自身の努力だけでは現状を変えることはできないと感じた場合は、一人で辛い思いを抱え込まずにほかの先輩保育士に相談するなり、主任や園長に相談をしてみましょう。
その際は、言われたことやされたことの内容や経緯、日時を記録しておき客観的事実として伝えましょう。
単なる個人的な感情やわがままと思われないためには、感情的にならず冷静に伝える態度と記録が欠かせません。
ご自分の中で、感情と事実をしっかりと分けておくことが大切なのです。

挨拶や笑顔など、少ない負担で出来るコミュニケーションから始めてみましょう。
どんな立場の相手であっても、挨拶や笑顔を心掛けるだけで思ったよりも良い関係が築けることも多いものです。

ときには毅然とした態度で接する事も必要ですが、お互いに尊重し、理解をしようとする意図が根底にあれば、信頼関係の構築は可能です。

ひいては、職場環境の改善と子ども達のより良い成長にも繋がる、と心得て苦手だなと思う相手とも、積極的なコミュニケーションを心掛けてみてください。

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鈴木恵美
専門家

鈴木恵美(公認心理師)

Pure Bliss(ピュア ブリス)

経営者の妻、お受験を経験した母という経験を土台に、心理学の多様なスキルを使い、エグゼクティブの人間関係の悩みや、お受験を控えた母親の心労、悩みの解消をサポートしている。また、子どもの心のケアも行う。

鈴木恵美プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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