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保護者対応が怖くなくなる!保育士さんのための上手なコミュニケーションの取り方

鈴木恵美

鈴木恵美

テーマ:保育士さん・看護師さんの悩み

保育士が悩む大きなテーマのひとつが保護者対応です。
保育士よりも年上で育児経験も豊富となると、対応が難しい場合もあります。
しかし、捉え方を変えれば、保護者の厳しい言葉は園や保育士に期待している証です。
信頼関係を築くためには、コミュニケーションを密にとろうとする積極的で主体的態度が大切です。

保護者対応を怖いと感じる原因

保育士になって日が浅いうちは高い理想を胸に秘め、毎日子どもたちのためにと奮闘していることでしょう。トラブルや失敗があったとしても、子どもに直接関係することならば困難も乗り越えようと思えるのではないでしょうか。

ただ、一生懸命に向き合えば心が通う子どもに対して、その親である保護者との対応に心を痛めている保育士は少なくありません。
保護者は20代、30代、40代と世代も幅広く、子育て経験や性格、価値観、家庭環境もバラバラです。

すでに何人もの子を育てている40代の保護者の中には、年齢が自分より若い保育士、というだけで下に見てくることもあります。
「子育てを経験していないのに、若い先生から子育てについて口を挟まれる筋合いはない」、という姿勢をとられてしまっては、信頼関係を築くのも一苦労です。
このような態度をとられては、保護者の対応に恐怖心を抱いてしまう保育士が出てきても無理もありません。
確かに、保育園は経験がものを言う年功序列の世界という側面があります。
保護者はその空気を感じ取るために、上からものを言ってくる人が出てくるのです。

クレームの内容があまりに自己中心的で無理難題を押し付けてくるようなものであれば問題です。

例えば、お友達との遊び方を事細かに指示してきたり、アレルギーではない食材にも関わらず子どもの嫌いな食材だからと給食に入れないよう求めてきたり、汚した服の洗濯を強要してきたり…。
すべてに対応していれば、それだけで消耗してしまいます。それでも、丁寧に誠意をもって応対しなくては話がこじれてクレームに発展してしまう恐れがあるのです。

保育士としての経験不足からくることで、保護者に悩まされているならば、問題が大きくなる前に同僚や園長に相談することも考えましょう。

保護者と保育者は相対するものではなく、お互いが子どものために同じ方向を向いて共に協力していく存在です。
家庭と園が同じ方向を向いていることが、子どものより良い成長のためには必須だと言えるでしょう。
双方の気持ちが通い合えば、信頼関係を築くことが出来ます。
信頼関係の構築のためには、まずは笑顔とこまめな声掛けなどの日常の小さな関わりこそが大切だ、と言うことを心に留めておきましょう。
そして、保育士に子どもを見守る肯定的な態度が伴っていれば、保護者とよりよい関係を築いていくことができます。

保護者とコミュニケーションを取ることのメリット

保護者対応はベテランでも難しいテーマですが、人と人との関わりであることには変わりありません。
効果的な対策は、コミュケーションを密にすることに尽きるのです。

対応が難しい保護者の方も、あれこれ要望を言ってくる保護者の方も、いずれの保護者にも共通するのは、我が子が大切、かわいい、と言うことです。
たとえ理不尽だと感じるクレームであったとしても、子どもかわいさゆえの心情が根底にあるのです。
保育園としても、保育士としても、大事なお子さんをしっかり見守り保育している、という事実をこまめなコミュニケーションを通じて、理解してもらうよう努めましょう。

相手はすぐには変わらないかもしれません。
相手を変えようとするのではなく、まずはこちらの保護者に対する心構えや見方を変えてみましょう。

子育て経験豊富な保護者に気後れすることも有るかもしれませんが、子育てと保育は別です。専門職として自信を持ってください。
そのうえで、ベテランママの知恵はありがたく受け入れることで相手を尊重している意思表示にもなりますので、ご意見を素直に聞く耳を持ちましょう。
経験者の意見や知恵は、保育士としてのスキルUPにも役立つかもしれません。
負のストロークだと決めつけずに、心を開いて接してみて下さい。

また、クレームの多い保護者には、問題が小さいうちに話を聴くように努めます。
苦情を言ってくれるのはありがたいことと受け止め、改善していこうとする姿勢でいることで良い関係が生まれます。
要望が多い保護者もいるとは思いますが、要望が多いのは保育園に期待しているからこそと捉えて、できる範囲でお応えしていく姿勢を示すようにしましょう。

いずれの場合も、保護者との関わりの時間は、意識的につくらなければなかなか生み出せないと思っておいてください。
しかし、ちょっとしたコミュニケーションの積み重ねが、保護者からの信頼を得る近道でもあるので、時間を作ることの優先順位を高めておくといいですね。
一度信頼関係さえ構築出来れば、些細なことでクレームがつくことは少なくなります。保育士を信頼して任せてもらえる領域が増えることで、円滑な保育が行えるようにもなるのです。

登園時など短い時間でも保護者とコミュニケーションを取る

保護者とコミュニケーションを考える時に真っ先に取り組みたいのが、送迎時の対応改善です。

子どもを預けてすぐに出勤する親御さんは、とにかく時間がありません。
引き渡しに掛けられる時間が、数分、数秒ということもあるでしょう。
それでも、こちらから進んで笑顔であいさつをすることで、保護者はその日一日安心して子どもを預けられ、仕事にも集中できるのです。
ですので、登園する親子が見えたら、すすんであいさつをするよう心掛けましょう。

その際、お子さんだけでなく保護者の方の表情にも目を向け読み取り、保護者の方が何か話したいことがありそうならば、こちらから声をかけましょう。
保護者の中には、忙しそうな先生に話しかけづらいと遠慮をなさっている方もおられますので、こちらからアクションを起こし、話しやすい雰囲気を作ると良いでしょう。

子どもがいつもと違う様子だったら?

受け入れの際には、子どもの体調や身の回りの確認をします。いつもと違う様子があれば、さりげなく聞き出すようにします。優しく耳を傾けることで、気になることも言いやすくなります。

病気や休み明けで子どもが不安そうな場合は、安心してもらえるように穏やかな態度笑顔で休み中の様子を聞きます。家での育児や生活態度を問い詰めるようなニュアンスは厳禁です。子どもといっしょに、保護者にも気持ちを切り替えてもらえるような励ましが効果的です。

送迎が祖父母やバスの場合は、連絡帳が信頼をつなぐカギとなります。
園での子どもの様子や保育者として気が付いたことを積極的に書きこみましょう。
成長の喜びを保護者と共有することで連帯感が強まります。
質問されたら、必ず日をあけずに返事を書くことも忘れずに。
回答がないと保護者は不安になってしまいます。即答できない場合は、後日返事をする旨を記載しましょう。

保護者が連絡帳を書いてくれないときは、連絡帳からの情報がいかに保育者として保育の参考になるかということを説明してみましょう。自分にとっては必要のない事だと思っていても、わが子のためにプラスになると思ってもらえれば協力を得られるはずです。

強制にならないような配慮をしつつ、まずは運動会といったイベント時に「感想を書いてもらえると今後の保育の参考になる」と伝えてみましょう。
たとえ、保護者が書いてくれないとしても、保育士は、読んでもらうことを目的とし書き続けることが大切です。

どのような人間関係であっても、自分に積極的に関わってくれようとする人に対して、悪い気はしないものです。
経験値や年齢の違いを理由に相手への苦手意識を持たず、主体的な関わりを心掛けると、より良い人間関係が築けるでしょう。

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鈴木恵美
専門家

鈴木恵美(公認心理師)

Pure Bliss(ピュア ブリス)

経営者の妻、お受験を経験した母という経験を土台に、心理学の多様なスキルを使い、エグゼクティブの人間関係の悩みや、お受験を控えた母親の心労、悩みの解消をサポートしている。また、子どもの心のケアも行う。

鈴木恵美プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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