デジタル時代の子どもに必要な「見る力」―眼球運動とビジョントレーニングの大切さ
「大きな音を嫌がる」
「教室にいるとうるさく感じてしまう」
「ピアノの高音を聴くと泣き出してしまう」
そんな姿に戸惑った経験のある保護者や教育関係者の方も多いかもしれません。
実は、音に対して敏感な“聴覚過敏”のあるお子さんは少なくありません。
実際に私自身も、日々のレッスンの中でそのようなお子さんと関わる機会があります。
これは“わがまま”ではなく、
「感覚過敏」という感覚の特性が関係している場合があります。
私たちは普段、周りの音を無意識に整理しながら生活しています。
しかし、聴覚過敏のある子は、
音を必要以上に強く感じたり、
たくさんの音が一気に入ってきてしまったりすることがあります。
例えば――
掃除機の音
教室のざわざわ
拍手
楽器の高音など
周りには平気な音でも、本人にとってはとても刺激が強く、日常生活の中で疲れてしまうこともあります。
そのような時に大切なのは、
「慣れさせること」ではなく、
まず“安心できる環境”を作ることです。
「そのくらい大丈夫」と我慢させたりすると、
さらに不安が強くなってしまうこともあります。
まずは小さな音、安心できる音から始め、
「大丈夫だった」という経験を積み重ねていくことが大切です。
OTOリトミックスクールでも、あえてボリュームや音色を調整できるキーボードを使用し、子どもの様子を見ながら音の強さや活動量を調整しています。
無理なく音と関われる環境づくりを大切にし、
「音って安心できるものなんだ」と感じられる経験を少しずつ積み重ねています。
また、ただ“聴く”だけではなく、
体を動かしながら音を感じることで、
少しずつ感覚が整理されていくこともあります。
聴覚過敏は「困った特性」ではなく、
周りが理解し、関わり方を工夫することで、
安心して過ごしやすくなるものです。
「できるようにする」ことよりも、
まずは「安心して音を感じられること」
その積み重ねが、子どもの「やってみよう」という気持ちにつながっていくのだと思います。


