マネジメントする人間の質が会社を良くも悪くもする
近江商人の三方よしをご存じでしょうか。
『売り手によし、買い手によし、世間によし』を示す『三方よし』という表現は、近江商人の経営理念を表現するために後世に作られたものである。
時代が人とのWin-Winの関係で良いとされたところから、地球環境に配慮し、売り手だけの良さ(企業だけでなく)働き手の良しを考える時代に変化してきている。※売り手に働き手が入っていることは承知している※
日本では、高学歴の最高峰といわれるような博士課程を取得しても、就職後の収入が大学院に行き研究課程を経る投資に比べ低い状況といわれ、先進国では唯一博士課程に進む人数が減っている国となっている。
資本主義社会によって、全てのものが資産に変えられてしまい子供が遊ぶ公園や自然がカネに変化させ、経済が最も重要な価値として判断されていくこの昨今の中、三方良しだけでは成り立たなくなってきていると強く感じる。
今日、週次で学んでいるスクールにおいて新規事業開発をグループワークでビジョンを互いにすり合わせ、1つのビジネスを考えるワークを受けた。
皆共通していることは、「利他的精神」「持続可能」「還元型」だった。
参加している一人の女性は、人も自然も生き物の1つの循環の一部として『繋ぐ』役割である。排泄物でも土にまいて肥料とすれば自然に生き物が生まれ新たな循環の一助となるというのだ。
今の社会、InstagramなどのSNSを通して、より効率的に稼ぐ事やみんなが「いいね」をするから良いという風潮がある。ある意味では、思考停止になり自分自身の思考を持たず、自律した物事の判断が出来なくなっているのではと危惧している。
情報社会だからこそ、自分の中で取捨選択し入ってくる情報に対して「いいね」だけでなく「違うな」という判断を持ちながら情報に触れあい、社会の中で起こる出来事に、「自分が何に貢献できるのか」を考えていけるような人があふれる世の中でありたい。
そのためには、五方よし(売りて、買い手、世間、働き手、地球)の意識を持つ人たちを増やしていく仕組みが必要というのが我々のグループではビジネスの方向性となった。
企業側(経営者)が働き手に還元し、地球環境を考えたビジネスを意識する。
社会人は、利他の精神で社会貢献の意識を持ち、群衆的な考えではなく、自分自身が自立した思考の中で物事を判断できる努力をする。
世の中で言うエリートは高学歴高収入のような表現をするが、エリートとは物事に対して自分の中で解釈し、自らの判断軸を持って行動できる人を言う。日本人が群衆化し、大衆化している中でエリートとなる人々が多く増える世の中となるようにこれから精進していきたいと思った今日でした。